2014-01-01から1年間の記事一覧

扇動のための不当表示としての「リフレ派」 part148 「歴代日本銀行総裁論」を推す 補

「歴代日本銀行総裁論」は第23代総裁森永貞一郎で終わっているが、著者の吉野俊彦は森永総裁については出版と同時期のため経歴だけを記すにとどめ、評価を避けている。しかし、ここに「日本銀行総裁の適格要件」というのが書いてあって、その筆頭が「政府に…

扇動のための不当表示としての「リフレ派」 part146 数年前の日銀法改正騒ぎとは何だったんだろう ―「歴代日本銀行総裁論」を推す

今月、講談社学術文庫から吉野俊彦の「歴代日本銀行総裁論」が出た。早速、注文して読んでみた。「歴代日本銀行総裁論」は、日本銀行の悪戦苦闘の歴史を俯瞰できる好著であって、私のような門外漢にも非常に興味深い記述が並んでおり、名著の誉れ高いのもう…

扇動のための不当表示としての「リフレ派」 part147

前記事で、 さらに言えば、海外の経済学者たちは、当然こういった日本銀行の苦闘の歴史とその経験なぞ知っているわけがなく(なにせ第三代総裁川田小一郎のときには、日本銀行条例で禁止されていたはずの、株式を担保にした貸出を行っている)、なんだか呆れ…

ネット○○派 part444 「インテリのネトウヨ」

ここでいう「ネトウヨ」というのは「ネトウヨと同じことをやっている」という意味で、つまりこのブログでいう「ネット○○派」と同義なんだが、稲葉振一郎も、菊池誠の次のようなtweetをRTしている。https://twitter.com/kikumaco/status/545561504443936768 …

扇動のための不当表示としての「リフレ派」 part145

さすがに、菊池誠先生に誰かちゃんといったほうがいいんじゃないの、これ。 https://twitter.com/kikumaco/status/545557680169828352 財務省のやることはなかなか露骨ですね。消費増税できなかったので、福祉に回す金はないと言いたいようだけど、彼らは消…

扇動のための不当表示としての「リフレ派」 part144 リフレ派は「生活防衛」するな!

少し前の tweet だが、田中秀臣先生の次のようなものを見た。 https://twitter.com/hidetomitanaka/status/534507139213955072 雑談ぎみに軽く書くが、4月から消費税があがって個人的にお金の減りが早くなったなあ、と実感している。食事担当なのでw、毎日…

呑兵衛雑談(9) 荒野を目の前にして何を思うか

池田信夫と意見が同じになってる。何かの間違いではないかと思ったが、ニセ科学批判についてはかの早川由紀夫先生と同じことを言った私である。恐れるものは何もないのだ。ワイドショー化する政治 小選挙区制で国会は「老人独裁」になる(2/3) | JBpress(日本…

扇動のための不当表示としての「リフレ派」 part143

こういうのを見た。 https://twitter.com/machdrilll/status/539245204608278529 キクマコ先生、坂を転げ落ちるようにどんどんアホになってる。 何かと思ったらまず、 https://twitter.com/Umekichi76/status/538890249867247616 安倍首相が(多分)初めて対…

扇動のための不当表示としての「リフレ派」 part142

この himaginary さんの記事はとても面白いが、やはり白けた気分に非常になった。次の一節を目にしたときは特に。 経済学者が独裁者を支持する時 - himaginaryの日記 ここで重要なのは、経済学は道徳劇ではない、ということだ。時には悪人が良い政策を実施す…

扇動のための不当表示としての「リフレ派」 part141

このところ、machinery さんがクルーグマンに関する詳細な論評記事を書いておられて、よくあそこまでやるなと感心している。私も「クルーグマン教授の経済入門」とか読んだ口だけれども、その後 NYT のエッセーを読んでいて、さすがにうんざりしてきたので、…

扇動のための不当表示としての「リフレ派」 part140

メモ。世も末という感じがしみじみした。 アベノミクスは失敗してない、増税延期は当然=浜田内閣官房参与 [東京 18日 ロイター] - 内閣官房参与を務める浜田宏一・エール大名誉教授は18日、自民党議員との会合後に記者団に対し、来年10月の消費税再…

呑兵衛雑談(8)

この20年以上、右も左も、ポピュリズムしかやってこなかった。だから、これを大っぴらに批判する人が日本にはいないし、今後も多分出てこない。しかも、ポピュリズムを批判しても金にならない。俗受けしたほうが金になる。問題の根幹は悪性のポピュリズムだ…

呑兵衛雑談(7)右も左も治安維持法がお好き

さすがにこれは吹いた。 https://twitter.com/FumiHawk/status/522375621473607680 青木文鷹@FumiHawk 特定機密保護法って濫用が案外出来ない仕組みになってるし、そもそも『国の安全保障に関わる“行政機関の情報”が漏洩しないようにする』法律なので、国家…

呑兵衛雑談(6) だから民意は絶対不可侵にして無謬であり神聖である

このやり取りは全くその通りだ。https://twitter.com/11uk3w/status/521616205124083713 違うんだ、それが民意なんだ。左翼は「善良な市民が一部のネトウヨに牛耳られている」というんじゃなくて、「市民全体がネトウヨ的でありそれを反映した結果が現状であ…

呑兵衛雑談(5) 無謬の「民意」 批判されえないメディア・ポピュリズム

では、そういうメディアを、ポピュリズムの点から批判する言説が出てくるかというと出てこない。出てこないというよりも、批判しようがない、できない構図になっている。これが一番の問題だと思う。一つは、メディア上で高名な人がもしメディアによるポピュ…

呑兵衛雑談(4)ポピュリズムの温床としてのメディア

「ニュースステーション」は民放の番組だったので、視聴率が高いように、つまり売れるように作るのは当然のことだ。今では、日本にまともなニュース番組はほぼなくなってしまって、ニュースショーしかないのも、ビジネスという側面だけでいえば当然のことだ…

呑兵衛雑談(3)「リフレ左派」の悩みをあえて突っぱねる

では安倍さんはどうなるのかとなると、橋下のような形でポピュリズムをやっているわけではないし、彼の根はポピュリストというよりもナショナリストにしか見えない。だから、ナショナリストとしてどういう問題があるかという批判ならやりやすい。ただ、ネッ…

呑兵衛雑談(2)「ニュースステーション」ポピュリズムとしての右翼左翼

先日、このような tweet を見かけた。 https://twitter.com/taketsuru24/status/516052536038408195 久米宏のニュースステーションを観て「庶民」が自民党批判に溜飲を下げ、朝日や岩波が権威で、横路が地方の雄だった時代。団塊世代はさぞ懐かしかろう。 私…

呑兵衛雑談(1)悪いのは右翼左翼ではなくて、ポピュリズムではないのか

自分は政治史も政治思想史も全然知らないが、これまで観察してきて人並みに思うところはあるので、そこで人並みにいい加減なことを書こうと思う。いい加減だから、あくまでも飲み屋のヨタ話「呑兵衛雑談」にすぎない。・・・「検証 東日本大震災の流言・デマ…

扇動のための不当表示としての「リフレ派」 part139

https://twitter.com/sunafukin99/status/517878471079391232 そういや以前みんなの党の渡辺ヨシミに期待していたリフレ派も今はどうなんだろうな。 今昔の感を感じたのでメモ。(追記) これを読んで思い出したので、これもメモ。 日本のリベサヨな発想: ha…

ヘイトスピーチは日本の一般大衆の意識の低さの問題だ:安易に海外誌を持ち出して政権批判のネタに利用する愚

海外誌で、在特会や在日差別など、日本におけるヘイトスピーチの氾濫は、安倍政権の影響があるんじゃないか、という記事が出て、それが盛んに紹介された。たとえばこれだ。Spin and substance - Hate speech in Japan記事の最後のほうに、ネット上でも内閣改…

目くその自覚なき右翼が、鼻くその左翼を笑って勝ったと思っている愚劣

右翼は左翼に勝った、というような議論がこのところ散見される。右サイドが左サイドを党派的に下に見て省みないようである。さすがに、これは全く耐えられない。たとえば、「放射脳」「反原発」の「サヨク」を馬鹿にする。ついでに、左派に近しい話題をまと…

雑談

こういうのを見かけた。 https://twitter.com/bn2islander/status/513268725269557248 私が見るところ、これは国家によるホメオパシーの合法化にしか思えないのだが。日本でいう(医学的根拠のない)漢方薬の保険適用と同様なのでは? つまり、それほどホメ…

扇動のための不当表示としての「リフレ派」 part138

ま、何をいまさら、ということで、増田だからどこまで真に受けて読むか、とりあえず、真に受けておきますが。 最近のリフレ派って もともとリフレ派ってのは、リフレ政策に賛同することが唯一の要件であって、その余の話は問わない、ってーのが定義だったは…

だからニセ科学批判は

ニセ科学を批判しながら、反原発ができるかということだけど。 ネットのリフレ派と共存してきた連中がいまさら何を言ってんだ! と言う以外に言葉がない。こんな都合のよい議論をおっぱじめるから、だからニセ科学批判はダメなんだ。

「批判」の(日本的)心性について

いろいろ見ていると、日本で行われるさまざまな「批判」について、不満が出てきた。自分があることを言明するとして、そのあることは口から発せられた瞬間に、自分の方に向かって切り返してくるものであると、私は思う。たとえば、このブログは、ネット上の…

雑感

hamachan 先生がこういうエントリを書いておられるわけだが。 フード左翼な美味しんぼたち: hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳) きちんと論を立てるほどの気はしないけれど、腹ふくるるものがあるので一言だけ。 3年前の福島第一原発のメルトダウン以来、…

批判のダブルスタンダードを成立せしめる根拠はどこか―雁屋哲とリフレ派を比べて

鼻血は福島原発由来の放射能のせいだと主張する雁屋哲への批判が大きい。批判そのものはいい。科学的合理性がないという主張それ自体はいいが、どう見てもそれ以上の部分にはみ出ているように見える。構図はニセ科学批判と全く同じであって、たとえば「実害…

雑感

リフレ派の諸先生がたが、こうもいい加減なのは、一つの理由としては経済学者やその種の世界なんて、こんなもんだということがあるんだろうと思う。クルーグマンは日本でも有名なノーベル賞経済学者で、今ではネットで彼のコラムを日本語に翻訳してくれる有…

社会はサイエンスに対して「信」用・「信」頼しているにすぎないこと

社会がサイエンスを信頼している、ということの意味を分かっている人が、サイエンティストでもそんなに多くないんじゃないか。ましてそれ以外の人たちの理解は相当怪しいんじゃないか。当たり前の話だが、サイエンティストでもない人間が、さらに言えばその…