2018-02-01から1ヶ月間の記事一覧

私はたまたまイタリアに縁があって、イタリアが好きになった。イタリアは20ある州ごとに違うというよりも、街ごとに違うようなところがあって、「イタリア人」という括りで一つの性格を言えるのかどうかすらよく分からない。それでも、たとえば、日本人は…

オリンピックで日本人のメダリストが出ると大騒ぎになるが、「メダルをとったのはあくまでもその人なんだから、すごいのはその人で日本じゃない」云々という声があがり、これにいろんな議論が出たらしい。どこの国でも、自分の国の選手がオリンピックのメダ…

イタリアオペラを振らせたら最高の指揮者の一人であるリッカルド・ムーティが、ヴェルディのレクイエムの練習をしている動画を先日見た。そこでムーティが、イタリア人の祈り方というのは神にどうしてですか、なんでこうなんですかと疑問を訴えかける、それ…

ファシズムの成立には大衆社会の登場という要素があったわけだけれども、ラジオや映画といったメディアの影響が当然大きかった。新しいメディアが出てきたときに、使い方がまだよく分かってないので、いろんな使い方をしていると、政治方面でそういう影響が…

私は政治家の伝記を読んだり、日本にしろイタリアにしろ、過去現在の政治を見るのは好きなほうだろうが、ネットを見てきて、つくづく、政治はくだらないと改めて思う。政治は、ある人に信念なりなにかがあって、それを現実に実現しようとすることで、そうい…

私はオリンピックにあまり興味がなく、家でテレビを見ないので、せいぜいネットのニュースで目に入る程度、あとはtwitterを見て様子をしるだけなんだが、東京オリンピックに懐疑的な声が結構あったような気がするのに、いざオリンピックが始まってしまうと、…

ファシズムの勉強はきりがないので一旦中断して、その後のレジスタンスの勉強を始めたが、これも考えさせられる話がいくつもある。1943年7月にファシズム政権が転覆し、ムッソリーニが引きずり降ろされ、連合国とも休戦したが、9月にはドイツがムッソ…

私にとって一番縁の深い分野は音楽だが、音楽はただ楽譜を音にすればよいというものではない。楽譜を音にするだけなら、たぶんとっくの昔に、機械にやらせたほうが完璧な「音楽」ができるようになっている。ところが、音楽はそういうものではない。私が楽譜…

本を読むのはいいことだ、あるいは読むべきだというのは本当なのかどうか、常々疑問に思わないでもない。いくら本を読んだところで、たいていの場合、そこに書かれていることはいわば「また聞き」「また聞きのまた聞き」であって、自分で間違いなくそのもの…

塩野七生の新刊書の宣伝を見ると、いつも思う。あなたに書いて欲しいのはそれじゃないと。イタリア政治ウォッチャーの塩野は70年代、イタリア政治事情に関する随筆をまとめた本を何冊か出していて、これが面白い。当時、イタリア共産党が政権入りするかど…