今の状況が「パンデミック」だと言われたら、「世界的な感染症の流行」という意味ではその通りだと思うけれども、ここまで大騒ぎするほどのことだったのかと振り返って思う。

 

というのも、それほど人が死んでいないからだ。ヨーロッパですら18万人しか死んでいない。

 

もちろん、それは対策を施したから小さく済んでいるのだという側面があるに違いないが、かといってロックダウンがそれほど劇的に効いたとは到底思われない。

 

ペストの流行などを見ていると、いかに家を封鎖したところでほとんど無意味で、かつバッタバッタ人が死んでいく。COVID-19が恐ろしい病気だと信じている人は、デフォーの「ペスト」を読んでみたらよい。人の死に方が違うから。

 

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私は、今回のパニックの大きな原因は、ヨーロッパ最初のアウトブレイクがイタリアで起こったことにあるんじゃないかと疑っている。もしこれがドイツだったら、それほど大騒ぎせずに、淡々と事態が推移していけたかもしれない。

 

というのも、イタリアの場合、危機に際して結局大騒ぎしかできない人たちだからだ。例えば、COVID-19で死んだ年寄りの中に、高齢者施設で死んだ人が少なくないはずで、これは完全に感染症対策の失敗に起因するのみならず、従業員のパニックや職場放棄による死亡も少なからずある。

 

自宅で風邪様の症状が出たのでかかりつけの医師を呼ぼうとしても、その医者が来ずにそのまま死んでしまった例などもある。

 

こういう話を聞くと、イタリア人のメンタルの弱さ、パニックになるとめいめいが勝手に動いて手が付けられなくなったことが事態を深刻化させていたのではないか。私はそこを強く疑っている。

 

だから、スウェーデンを見ると、同じように人が死んでも、普通の人はそれなりにハッピーに暮らしていて、イタリア人のように精神的に追い詰められたようなところはなさそうに見える。

 

イタリアの大騒ぎが引き金になって、世界中を混乱させただけだったのではないか。

 

そしてイタリアが、ロックダウンという過度に強烈な方法をとって、以下諸国はイタリアを真似ることになるわけだが、背後にある中国との関係などなど、私には疑わしく思われる点がいくつかある。

 

どこまでがウィルスが原因となるリスクで、どこからが人間の愚かさが招いている混乱・リスクなのか、そこをよく考える必要があるような印象を、このところ私は持っている。