日本の大手のメディアや、ネット上の「医クラ」と呼ばれる人たちが、どうして獲得免疫ベースの話しかしないのか、知人の医者に聞いてみた。


ひとつは、免疫学は基礎医学として勉強するだけで、国家試験でそんなに出ないし、内科医など免疫学の知識のアップデートが求められる分野の医師を除いては、勉強したことが頭に残っていないのだろうということ。


もうひとつは、ワクチンの問題。今、なぜか秋口にワクチンが大量に確保されるよう契約を結ぶような話が日本やヨーロッパで出ている。


常識的に考えれば、そんな急ごしらえのワクチンに本当に意味があるのか怪しいものだが、間違いないのは巨額の資金が動くことだ。


そうなると、細胞性免疫や自然免疫の話はワクチンを売るのに邪魔でしかない。だから、獲得免疫に基づいた話しかできない。


ここでばか正直に本当のことを言えるのは旧帝大クラスの研究者や、開業医など、自由にものを言える人間に限られる。


しかし中央と関係のある医師や専門家は、特に同盟国である米国の利益に反するようなことは絶対に言えない。自分の出世に影響する。感染症の専門家たちがCDCを持ち上げる理由のひとつは、自分らの出世だ。


だから現代の医師なら当然念頭におかれるべき、常識的な議論がなされえないのだ、ということだった。


これらに加えて、以下は私の所感だが、たぶん、事情はヨーロッパでも同じで、パスツール研究所の研究者クラスであれば、獲得免疫以外の話ができても、そうでなければワクチンが売れなくなるような話ができない。


イタリアに至っては論外。


ということなので、ネットで多様な見解に触れることができる私たちは、大人の事情に雁字搦めの医者や専門家たちから少し離れた物の見方をする段階に、たちいたっている。


幸い、関連する分野について、日本の研究水準は高く、それを私たち一般向けに分かりやすく説明してくれる専門家もいる。この恵まれた環境をしっかり享受するべきだろう。