このところ、イタリアやニューヨークみたいになる!と言われすぎではないかと思う。

 

もちろん、一般に分かりやすく危機感を伝えるための表現としてそういう言い方をするのは理解できるけれども、どう考えても前提条件が違いすぎる。

 

私は東京に2月の半ばに行った。すでに多くの場面でマスクは義務化されているようだったが、イタリアやニューヨークはまるで状況が違っていたはずだ。

 

イタリアに関して言えば3月の上旬までは日本人が払っていた注意はほとんどなかったように思う。ロンバルディアの封鎖直前までミラノの飲み屋街は盛況だった。

 

アメリカも状況は同じはずで、普通に考えて日本人は早くからウィルスに注意を払っていたと言ってよい。

 

いろいろな幸運があり、またクラスター対策という日本の発見があり、かつ日本人の幅広い努力があり、そうして現在の状況があるわけで。。。

 

海外の人間が「日本人には危機感がない」などとどの口が言うのかと、私は思う。大型クルーズ船の対処でメディアがあれだけ批判していたのだからなおさらだ。

 

医療体制に過度の負担をかけることは無論絶対に避けるべきだが、しかしながら日本の医療体制・医療水準はイタリアやアメリカと全く異なるはずであって、この点も本当はきちんと比較検証する必要があるだろう。

 

また、今回の新型ウイルスに対する、準備段階から初期段階に至るまでの考え方が、国によって相当に違いそうで、このあたりは後日の検証課題となるはずだ。

 

今後のことはもちろん、分からない。死人を最小で抑えることが日本の医者たちに課せられた課題で、うまく行ってくれればよいと祈るばかりだが、個人的には今まで続けてきた予防策、つまり手洗いや、「3密」の回避の徹底をするだけだ。