掛け算の順序問題は、基本的には試験の点数に無駄にこだわる親が悪いと私は思っているが、次の現役教員のtweetは一言言いたくなる。

 

https://twitter.com/chiyosuke1002/status/1201512309413175297

ちよ助@chiyosuke1002
返信先: @tententonton2さん
現役教員です。
2年の段階で式の順序を理解していないままだと、後々割り算で詰みます。特に少数が絡む割り算で立式が上手くできない子の出来上がりです。

 

12月初旬のtweetをたまたま見かけたんだが、主旨そのものは個人的には同感のところがある。つまり小学校のカリキュラム全体を見渡して、掛け算の順序の意味するところについて説明しようとしている。

 

それに対していろいろ反論が付いているんだけれども、実は私はこの現役教員の方の主張は全く机上の空論だろうと考えている。

 

なぜならば、掛け算の順序の問題をしっかり教えることが、割り算の理解にそれほど大きな影響を与えているとは到底思えないからだ。

 

小学生が、割合や速度の問題など割り算を多用する文章題をいかに理解していないかを示す端的な証拠として、「み・は・じ」を挙げることができる。

 

「み・は・じ」というのは、速度の文章題を解く方法で、分子のところに「みちのり」分母の左側に「はやさ」、右側に「じかん」を置く。こうすると、たとえば道のりと時間が分かっていたら、「み÷じ」とただちに数字を当てはめれば、「は」つまり速さが出せる、というものだ。

 

私が小学生のころにこんなものはなかったように記憶しているが、今時の小学生はこんな愚劣なことを教えられていると知ったときは仰天した。

 

というのも、どうして道のりを時間で割れば速さが出てくるのか、そこの理解は全く問われておらず、完全にどうでもよくなっているからだ。

 

もちろん、学校でも説明はされているし、教科書にも書かかれてある。したがって、本来はなぜ道のり割る時間は速さなのかという理解が重要だということは、教科書レベルでも明らかであり、そこを理解していさえすれば、「み・は・じ」などというものを覚える必要性は全くない。

  

ところが、現実にはこの「み・は・じ」を利用する子供の方が多数であり、なぜそうなのかを理解することは完全に閑却されている。彼らも、掛け算の順序を教えられているはずなのに。

 

これが現実だ。

 

・・・

 

さて、話を最初に戻す。

 

掛け算の順序をきっちり教えることで、割り算の理解が確実になるというのは、たぶんウソである。ウソと言って悪ければ、せいぜい机上の空論だ。

 

なぜならば、速度の問題でさえこの体たらくであり、ましてや割合の理解に至っては、本当に大変であって、掛け算の順序を理解していれば、こういった問題が解決される、割り算の理解が進むはずだとは私には到底信じられない。

 

・・・というふうに、私だったらこの現役教員氏に反論する。

 

掛け算の順序は、せいぜい、「式にはそれぞれ意味がある」ということを小学校2年生の小さな子供たちになんとなく感じさせれば、おそらくそれで十分なのだと思う。それ以上の意味合いを主張することは、現実性を欠くだろう。

 

つまり、もしも現場の先生たちを批判するとすれば、掛け算の順序に過度に意味合いを持たせることについて、だ。他方で、頭の固い教師に親が文句を言いたくなるのもよく分かるが、先々どうせ掛け算の順序の問題なぞどうでもよくなるのであるから、細かいことにこだわるのはどうか、あんたがた、どうせ単に試験の点数を上げたいだけなんだろう(ほんまにあほや)、と言いたくなる。