今の若い世代には、うまく行くなら軍事政権だってかまわないと考えている人が少なくないらしいという話題を見た。

 

そりゃそうだろうとしか言いようがない。

 

だいたい、大戦中の日本人だって、どれだけの人が、自由を守るために闘争を繰り広げたか。革命でも起こしたことがあるか、内戦でもやったのか。また、戦後の日本人が、自らの無力さ愚かさに対する悔恨の念とともに、自由を守ろうとした人たちをどれほど称賛したことがあるか。

 

どうして今の世代の若者にだけ、大きな期待をかけることができるだろう。

 

ただし、私は、学生運動をしていた世代の説教だけは却下する。私の父が学生運動の参謀をしていて、実態は話に聞いているので、もううんざりだ。

 

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海外で時に暴力を伴う大きなデモや抵抗運動があると、なんで日本人は反抗しないのか、デモをしないのか、という話になる。

 

私はこういう大きな話にいきなりするのは、非現実的だと思っている。

 

まずは、日頃から、自分の生活の範囲内で自由と人権を守るために地道な努力をするのが先だろう。いきなり派手なドンパチをやっても、一過性の線香花火に終わるのが関の山だ。

 

日頃の努力の延長線上に大きな運動があって、初めて実のあるものになるはずだ。

 

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前回のエントリでいえば、子供たちは自分たちの自由と人権を守るために、なにかできる環境にあるだろうか。そういうことを教えられているのだろうか。

 

先生やコーチ、先輩の言うことに唯々諾々と従うこと、「仲間」と協力することなどが無条件に称賛され、異見を言うとダイレクトに成績に反映してしまいかねない現状に、子供たちはどう対処しているか。大人たちはどう考え、どういう意見を直接学校に社会に子供たちに言っているか。

 

私の近所にある複数の学校からは、たいてい先生たちの偉そうな声しか聞こえてこない。 子供たちが「軍事政権でもいいよ」と言いだしても当然だろう。

 

これでどうして、「最近の若者は・・・」と歎いていられるのだろうか。

 

 まず、そうやって嘆いている人たち自身の身の回りで、自由と人権を守るように、ちっちゃなことでいいから、具体的な現実を変えてみたらどうか。

 

私はそう思う。