欧州委員会のアンシプ副委員長がフェイクニュースに関する声明を出した。

Statement by Vice-President Ansip on the action plan to counter disinformation and progress achieved so far (press conference) | European Commission

 

これはいわゆる「フェイクニュース」を一般的に扱ったものと言うよりも、仮想敵としてロシアを設定している。

 Since it was set up in 2015, our East Stratcom Task Force has identified and analysed more than 4,500 disinformation cases.

There is strong evidence pointing to Russia as a primary source of disinformation in Europe. Disinformation is part of Russia’s military doctrine and its strategy to divide and weaken the West.

Russia spends €1.1 billion a year on pro-Kremlin media.

4500以上の事例を分析した結果、ロシアが問題となって浮かび上がっている、ディスインフォメーションがヨーロッパの分断と弱体化のための戦略となっている、ロシアは親クレムリンメディアのために年11億ユーロ費やしている云々。

 

そして、ロシアによる介入によって、選挙や国民投票がかく乱されており、民主主義を根底から揺るがしている、ということになる。

 

ざっとTwitterで日本語で検索したところ、日本ではロシアによるネット上の扇動について触れるのは、主として右派のようだ。しかし、右派にとっては、安倍首相がプーチン大統領と一応「親密」ということになっているので、ややつらいのではないか。

 

しかしそれ以上に、こういう話が欧州委員会から真面目に出されていることを、日本人である私も深刻に受け止めようと考えている。

 

ロシア云々はいったんさておくとしても、ネット上の扇動について、私は非常に関心をもって眺めてきた人間で、ほとほとそれに呆れている次第であって、そうなるとやはりこのようなステイトメントには注意したくなる。

 

情報リテラシーを云々されるけれども、ネットの利用そのものについてよくよく考えないといけないことが多いのではないかと、私なんかは思ってしまう。