ネット○○派　part398

ネット○○派の問題は、ようするに批判対象の二重基準の問題で、その二重基準を成立させているのはなにか、ということに尽きます。

たとえば、ニセ科学批判なら、鍼や漢方はいいけどホメオパシーはダメだという。

ホメオパシーは「科学のレッテル」問題があるからいかんのだ、と言うならそれはそれでいいけれど、であれば鍼や漢方については「鍼はプラセボにすぎない」「漢方は科学的裏付けが取れるまで使うべきではない」というべきなのに、それを言わないまま是認してしまう。

ここで立派な二重基準をやっているんだけど、問題の一つは、二重基準をやっているのにもかかわらず、そのことについては無反省にホメオパシーは苛烈に叩くということ。

もうひとつは、この二重基準は煽り手とその支持者のなかで是認されているだけにすぎず、根拠のあるものではないということ。

つまり、二重基準を正当化させているのは単なる烏合の衆の気分ひとつにすぎない、と。声の大きさが二重基準を正当化させてるだけだ。

・・・

話変わるけど、批判があるからバランスする、ということはあります。

放射性物質絡みだと早川「青プリン」由紀夫先生が批判されると、もちろん信じる人もいるけど、批判の声が上がるから「ああいう人だな」となるでしょう？

武田邦彦先生だっておかしなことを言うとわーっと批判される。だから、「そういう人だな」となる。

ネットだから、結局は書くのも読むのも個人の自由なんで、ただ「そういう人だな」という前提込みで読まれたら、それでよろしいわけだ。

そうでなくとも、批判があるならとりあえずはバランスする。

・・・

ネットでは、一般的には、デマやウソ情報の伝播に非常に厳しい。厳しすぎるんじゃないかとすら思うんだけど、意図は分かる。ネットは情報が命だから、と。

だから、武田邦彦先生や早川「青プリン」由紀夫先生をみんな叩く。池田信夫先生なんかも叩く。上杉隆なんかもうメッタメタだ。

まあ、よろしいんですよ。彼らはウソ情報やデマを流してるからという理由で批判するんなら。それが批判の基準だ。

だったら、高橋洋一も批判しなさいよ、となるのは当たり前。相当にいい加減なことを言ってるのは、この人もだよ。

そりゃ、色々言ってる人はいる。金融屋さん界隈ではもう飽きられてネタにもされてない。

にもかかわらず、上杉隆ほどメタメタにされない。

なんで？このダブルスタンダードを成立させる根拠ってなに？

・・・

言い方を変えましょうか。本当は「デマ」や「ウソ」が許せない、というだけではないんでしょう。たぶんもうとつ、批判の基準があるね。

たとえば、早川先生みたいに福島の被災者を罵倒するのは許せない。上杉隆のようにウソ情報を流して煽るのは許せない。武田邦彦先生のような無茶は科学の面から合理性を欠く部分については自信を持って批判できる。

やりやすいんですよ、要するに。「批判」がしやすい。

高橋洋一が違うのは、あの人の罵倒の対象が日本銀行や霞が関の官僚で俗受けがしやすいだけでなくて、政治や経済の話だから自然科学ほど正誤がはっきりしない。

だから、「意見の相違」と「ホラ」の区分が誰の目にもはっきりするというものじゃないので、叩きにくい。。。でも高橋洋一の言っていることの多くは「意見の相違」ではなくて「ウソ」とか「ホラ」の類がほとんどに見える。

じゃ、なんで高橋洋一は受け入れられるのか。武田邦彦や上杉隆・早川由紀夫がダメで高橋洋一はいいとなる二重基準の根拠は何か。

・・・ネット民の都合、ってだけじゃないの。ようするに。

ここで扱いに差が出る理由ってネット民の多数派（あるいは声のデカイ人たち）がどう感じるかだけで、「ウソ情報はダメだ」とか「デマは許せない」とか、その基準そのもの、批判理由そのものはたいして大事じゃないんですよ。

だって、本当に「デマは許せない」と信じてるなら、高橋洋一も叩かなきゃダメなはずでしょ。でも、おおっぴらには叩かないんだもの。

ダブスタをやるなら基準をちゃんとして、扱いの差を正当化しなきゃならない。ダブスタをやらないんだったらどっちも叩け。あるいは、どっちも叩くべきではない。

・・・

ことここに及ぶと、ネット○○派の問題というより、そもそもネット民の問題だと思うんだけど、この種のダブルスタンダードがあまりにも軽く見られているような気がしてならない。

批判基準を有効にしているものって単に衆を恃んでいるだけであることの自覚って、どれほどもたれているんだろうか。ダブルスタンダードを大した根拠なく是認してる理由って、ネット民の都合以外の何ものでもないんだけど、あんまりそういうことは言われないね。

このへんがそもそもネット○○派の問題だし、ネットそのものの問題でもあると思うな。「正しい」の根拠がネットの空気しかないってことなんだから。

「燃料費増加分は、交付国債で補てんしろ」とか、関西で不足する分は他社からの融通でまかなえとか、「支離滅裂な自然エネルギー教」呼びたくなるほどの酷さだった飯田氏。

本当にこんなこと言ったのかと思ったら、言ったらしいね、どうも。もう無茶苦茶。

みんなもっと真面目になってくれ。ふざけんじゃないよ。橋下徹へのヨイショももうやめろ。いい加減にしろ。