ネット○○派 part386

http://d.hatena.ne.jp/HALTAN/20120406/p1
前々から疑問だったのは、日本ではなんでリフレ論が「小さな政府」っぽい傾向とリンクしてるのかという点だったんですよね。たとえば、イングランド銀行が金融緩和やってるのは、キャメロンの政府が不況の時に緊縮財政予算を組んだので、そのショックをやわらげたいからだという、こういうのはまだ分かる。


あるいは、クルーグマンあたりが言っていることが正しいかどうかはともかく、ニューヨークタイムズのコラムをたまに読んでいるとあれはあれで筋は通っているというか、理解はできるんですよ。


民主党支持で、金融緩和支持して(つまりバーナンキはよくやっていると誉めて)、財政をしっかりしろと言う。その延長線上で、たとえば昨今のユーロ危機のときには、健全財政志向のヨーロッパのテクノクラートを罵倒したりする(あの罵倒は全く不当だと僕は思ったけど)。


いや、もうごくごく単純な素人考えだと、どういう経路・やり方であれ中央銀行国債を買うなりなんなりして、その金を使うのは政府なんだから、どちらかというと「大きな政府」のほうが親和性が高くなるのはむしろ当然だろうと僕は思ってたんだけど、そもそもここが分からない人がいてちょっと驚いた。。。もちろん、僕の方が間違ってるのかもしれないけれど、だけどここの問題はわりに根本的な矛盾になりかねないように見えるんですよね。


だから、「リフレ政策を構造改革やら清算主義などが猖獗を極める中で提唱した理由は、感情やイデオロギーによって盲目になることへの警告だった」という銅鑼衣紋さんの考えは分かるんだな。というか、むしろしっくりくる。


ところが、どうも一般に日本で理解されてる「リフレ」というのはそういうものではないというか、この辺りの文脈があまり理解されてないらしくて、なぜか「小さな政府」っぽくてもリフレでいけるみたいな誤解があるらしい(「誤解」と言いきっていいんだと思うけど)。


そこでリフレは物価上昇率を見てデフレはだめだというだけの「非党派的主張」みたいな考えがあっさり受け入れられたため、大きな政府志向か小さな政府志向かという根本はあまり問われず(あるいはむしろ小さな政府志向だと誤解されて=その延長線上にある日銀叩き官僚叩き)、しかもそれをうかつに信じてしまっている人(非常に良心的でまともな人だったりする)がいるという、この辺りがよく分からなかった。


・・・そうかぁ。最初っから日本のリフレ論って(もうネット○○派としての「リフレ派」でなくてもかまわないかもしれんが)ねじれ切ってたんだな。そうかぁ。


それにそうだ。岩田規久男先生の銅鑼衣紋さんへのコメントは読んだけど、そうだ、岩田先生は銅鑼衣紋さんの先生だったんだ。そうだそうだ。。。


あー。それにしてもひどい話だ。ひどい話だなぁ。ちょっとリアルに頭抱えてる。。。ごくごく普通の人たち、しかも頭もそこそこ良くて誠実な人たちが、リフレ論は「非党派的主張」だって信じて、リフレは必要だと素朴かつ純朴に言ってたりするよ。よくもここまで煽りも煽ったり、だ。あーあ。あーあ。。。


。。。いや、「ひどい話だ」と言うのは違う。本当にひどい「人達」だ。参った。

追記
毎度のhamachan先生を眺めてみたわけだ。
念のため: hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

今まで山のように繰り返してきたように、本来のケインズ主義的な意味での「リフレーション政策」には批判的どころかむしろシンパシーを持っています。

そうそう。こういうことなら、僕も分かるんですよ。銅鑼衣紋さんも「必要とあらば財政出動」みたいに言ってるのも同じことだと思うんだけど。他方で、

しかし、日本で「りふれは」と称して不気味な政治活動を繰り返してきた手合いというのは、おおむね、その逆の政治志向を持っているようで、小さな政府を声高に叫び、とりわけ弱い立場の国民向けの公的サービスに対して露骨な敵意を示すことが多いようです。そして、くっつく政治家というのもだいたいそういう志向の方々が多いようです。

いや、全くその通りで、というか、なんでこの辺りのことがもっと普通の人たち、うっかり「リフレは必要」と素朴純朴に言っちゃう良心的な人たちや、「リフレは非党派的主張」を信じちゃった人たちが分からないのか、僕には全く理解できない。。。


維新と組んじゃった高橋洋一については、
ついに出た・・・りふれは維新: hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

もし本当にそうなら、なぜ肝心のリフレ派の中から、猛然たる高橋洋一批判がわき起こってこないのか?

私としては、こういう事態に対してきちんと高橋洋一批判ができる人はまっとうなリフレ派として認める用意がありますが、それができないような徒輩は誰であれ特殊日本的「りふれは」認定ですね。

こういうことらしいですよ。。。orz
https://twitter.com/#!/YoichiTakahashi/status/188046970391248896

特別顧問はたくさんいる。総務省時代の経験で専門的な話を頼まれただけ RT: @hidetomitanaka: それと同じぐらいにセンスの悪いのが、「高橋洋一氏を大阪市の財政特別顧問にしたから維新の会が色物になる」とかいう妄言。あと土居氏もいるから矛盾するみたいな発言もある。

https://twitter.com/#!/hidetomitanaka/status/188048143844257792

御意。なんでそんなに大きな話題にネットだけなっているのか不思議ですが、ひとつには池田信夫が騒いでるからだと思います。政策に本格的に関与したこともない人が騒いでいるだけRT @YoichiTakahashi 特別顧問はたくさんいる。総務省時代の経験で専門的な話を頼まれただけ

いやあ。いやあ。。。としか言えないな。そのうち、田中秀臣橋下徹と対談してみたりするんじゃないかw。


あと原発絡みでこれか。
https://twitter.com/#!/hidetomitanaka/status/188041643277037570

リフレ派に特定の原子力政策は伴ってない。各論者バラバラ。僕が高橋みなみが好きでも他のリフレ派が違うのと全く同じ。政治心情から異性の好みまでバラバラ。何度この話題を書けばいいんだろう(笑)。

リフレ論と原発再稼働の是非や電力供給の問題は経済問題としてリンクしてんだから、多少の幅はともかく「各論者バラバラ」であっていいわけがない。


・・・あの、リフレ派の人たちは、もういいですよ。どうにもしようがないんだから。


ただ、うっかりリフレ論を信じちゃった人は、もう一度ちゃんと考え直した方がいい。リフレのどういう部分がいいと考えるのか、ちゃんと考えた方がいいと思う。リフレ論の煽り手たちの言動は、もう一般の人々をひどくバカにしているとしかいいようがない代物であって、本来ならばもっと怒るべきところなんだ。こんな無責任な人たちを許していては、いけないんですよ。本当ならね。

追記2)
つまりこういうことじゃないの。みんなの党がバカげた超緊縮予算案を出してきたときにリフレ派の人たちが何も言わなかったのと同じことがまた繰り返されるわけだよ。


あのときに、あの予算案をきちんと叩かない、みんなの党はダメだと言わないからズルズルきて、今度橋下徹・維新の会とリフレ派が一緒になることになっても、誰も何も言わないし、言えないと。いよいよ、リフレよりも大事なのは小さな政府論だったってのが明らかになりつつあるのに、リフレ派内では批判されないよ、たぶん。


こうなっちゃうともう遅いよね。いや、もう本当にありがとうという感じだよ。

追記3)
https://twitter.com/#!/repunkuratuy/status/187905635977932800

リフレ派がついにこの体たらくに陥ったというのは本当にアレだよなあ。どうしてこうなった。 QT ついに出た・・・りふれは維新

正解は「もとからこの体たらくだった」ということでしょう。


そして、事前に「この体たらく」が見抜けずに一杯喰わされてしまった私たち(あえて複数形)が反省するしかないんでしょう。反省して、論としてのリフレの是非はともかく、リフレ派の人たちの言説は一切信用しない、読むときは眉にツバをたっぷりつけて読むという、それしかないんでしょう。