ドイツのWikipediaホメオパシーの項目にこうあった。
Homöopathie – Wikipedia

2007 betrug der Anteil homöopathischer Arzneimittel im deutschen Apothekenmarkt am Umsatz 1,09 %, an der Zahl der verkauften Einheiten 3,26 % (3,16 % im Vorjahr).Im Jahr 2008 lag der Anteil homöopathischer Mittel an verkauften rezeptfreien Arzneien bei rund 7 %, was einem Verkaufswert von 399 Mio. Euro entspricht.

2007年のドイツの医薬品市場に占めるホメオパシー「薬品」は売上ベースで1.09%、販売単位(でいいのかな)でいうと3.26パーセント。2008年では、処方箋なしで販売される医薬品ではホメオパシー薬品は約7%を占め、3億9900万ユーロに相当すると。日本円で550億円前後。ちなみに、ドイツの医薬品市場の規模はざっと250億ユーロ、3.5兆円くらい、なのかな(http://www.bpi.de/Default.aspx?tabindex=1&tabid=303)。数字がきっちり合わないけど、その辺はご愛敬。


Wikipediaの注釈から、ついでに次の記事にとんだ。今年の八月の記事。
"Unerwartet positives Ergebnis": Vertrauen in Homöopathie wächst - n-tv.de

Bei Erkältungen, Magenbeschwerden oder Kopfschmerzen greifen immer mehr Deutsche laut einer Studie zu homöopathischen Arzneimitteln.

風邪、胃痛、頭痛の際に、ホメオパシー薬品を利用するドイツ人が増えている。


ドイツの医薬品製造業連盟(とでもいうか。ドイツでも大規模な連盟らしい)の委託によって実施されたアンケート調査の結果なんだそうで、

Hatte 1970 jeder Vierte Westdeutsche homöopathische Mittel eingenommen, sind es der Studie zufolge mittlerweile mehr als die Hälfte der Gesamtbevölkerung. "Der häufigste Weg zu Homöopathika führt über persönliche Empfehlungen von Bekannten, Ärzten oder Apothekern", sagte de Sombre. 14 Prozent der Deutschen lehnen homöopathische Arzneimittel dagegen ab.

1970年にはホメオパシー薬品を服用した経験がある西ドイツ人は4分の1程度だったけど、研究によるとその間にその数が全人口の半分以上に増えた。現在では、知人、医者、薬剤師から勧められると。他方でドイツ人の14パーセントがホメオパシー薬品を拒否する。


笑わしよったのがこれ。ドイツのホメオパスの組合がWHOのマーガレット・チャンに当てた書簡で、ようはBBCのニュースの見出しが「ホメオパシーは治療法ではないとWHOが言った」というのが気に食わないと、延々抗議している。けど、WHOはエイズ感染症などについては有効でないと言っただけなんだから、飛んだ大歌舞伎。しかも、仲間内には結構強気なことを言っていてエイズについては判断が難しいそうだけど、それ以外のものは効果があるという報告があるんだとさ。このギャップ、笑わしよるわぁ。


でも、読んでると発展途上国の医療に対する他人事感が漂いまくっている気がしてくる。とはいいつつ、正直言って口に緘するしかないのかなとも思ったり。途上国の医療をもっとまともにしたいなら、さらにカネとヒトを出せますかという話なんだろうから、ここで観念的に正義に走ると、気持ちは分かるんだけどね、ということになりかねない(そこらへんが、疑似科学批判になるとすっ飛んでしまっているようにみえる)。日本で子供に予防接種を受けさせないとか言ってるママさんたちとか、すごく贅沢な悩みなんだね、きっとね。


先進国のドイツに限れば、ようは頭が痛い腹が痛いというときに、わざわざ医者にかかると金もかかるしという程度の話が大半なんじゃないのかな、どうも。それくらいだったら構わんというか。処方する必要もないのに薬くれとか湿布くれと言われたり、それで出さなきゃ不親切だのヤブ医者だのと陰口を叩かれることもあるんでしょうけど、そういうことを思うとまさに「代替」ですなあという感じはする。


ホメオパシーのそもそもの性格が反科学的だとか医学に対して不信を煽ってるのは、これはもう仕方がない。はまる人ははまる。引っかかる人は引っかかる。批判するのは一向に構わないけど、でもやってることはそれだけなんだな。


たとえば小池某だの帯津某だの、医師免許を持っているのでしょう?そこまで悪質ならなんで免許剥奪されないのか、あるいはまともな医者が一緒になって本気でそれを求めないんだろうか。そう考えると、たかがストレス発散なのに立派な大義名分で煽る日本のニセ科学批判の人たちよりも、発展途上国で医療活動をしておられるお医者さんや看護師さんのほうがずっと立派だなと、僕なんかは思わざるをえんのです。