ネット右翼の終わり

はてなブックマーク - 航海日誌と批判 Kuantanlog: ネトウヨを軽く見てはいけない。深刻な心の病も
ネット右翼てなんだったのかというと、人によっていろいろ定義はあるでしょうけど、ようするに日本会議あたりを中心にした保守派がプロなりシンパなりを利用してネットを煽った、その煽りにのった人たちというのが実態だったんじゃないかな。


炎上と言うのも、確信犯と言うか突撃してくる人の中にもプロがいたようだし、それに乗っかるお祭り好きの烏合の衆ももちろんいた。


今でこそ、この手の扇動にネットの住人達は慣れてひっかからなくなったけども、ブログの出始めのころはそれなりに釣れたんですよね。


それも、ネットのヘヴィーユーザーなら誰でも、ごく普通の人が釣られてたように見えました。自分は中道だ的なことで保留しながら、結構保守的な言説に簡単に乗っかってた。


理由としては、ネットを使うような若い世代にもともと左派に対する不信があったとか、よく言われる日韓共催ワールドカップの反動の影響もまんざらないわけではなかったのかもしれなし。なにより政治的状況が今と全然違って、郵政選挙で保守派が分裂弱体化したり、せっかく安倍さんが総理になったのに保守派に対する信用をなくすとか、そういうことの前ですからね。


そうすると、ある意味では、「ネット右翼」というのは一つのモードというか流行だったし、それ以上のものではなかった。時間がたつうちに、どんどん主張がエスカレートしていって多くが脱落し、今、「ネット右翼」として生き残ってるのは、単なる極右になってるのが大半。


ただ、ネット右翼の言ってる中身と心理的なものとを絡めるのは違うと思う。こういう政治運動で一人相撲をやって沈没するタイプの人間というのは、右左関係なくいるわけで、言ってる中身がこうだから、というのはちょっと違うんじゃないか。


いずれにせよ、「ネット右翼」はもう終わった。例のイラストみたいなのが出るようになっては、イメージ的に死んだも同然。あれは、いわばネット右翼の墓標だった。


他方で、保守派がネットを煽る手法を捨てたのかというと、どうやらそうでもないらしくて。こないだ話題になった記事でも、
http://island.iza.ne.jp/blog/entry/1206667

ネット世界を含む世論において“稲田出馬”を促す声が広がれば、自民党でも耳を傾けざるを得ないだろう。

わざわざこういう表現を入れるあたり、まだやるつもりなんだなーって思う。結局、ネットを使った政治運動も、それなりの道具の一つではあるんでしょう、まだね。


でも、ネット右翼のことはなかなか笑えないんですよ。言葉しかないネットの世界だと、こういう現象は程度の差はあれどこでも起こりうる。


ネット右翼が支持できるのは「平沼新党」のさらに右くらいしかないのと同じで、たぶん、ネットの左の人たちも、今は自民党政権が倒れたと言って興奮してるけど、時間がたつと社民党しか行き場がなくなる、みたいになると思う。


もっとも、左右問わず、数は少なくてもその手のはノイジー・マイノリティーだから目立つでしょうけどね。