「医療用漢方製剤」の売れ行き

なるへそ。漢方を保険適用し続けろってな祭りがネットで起こったのも道理だわ。


ツムラのサイトを見たら、分かりやすく説明してあった。2010年3月期でツムラの医薬品事業の売上高のうち、92パーセント約810億円が「医療用漢方製剤」。
http://www.tsumura.co.jp/zaimu/business/bsn/01.html


「医薬用漢方製剤」の市場は全体でこの10年のび続け、2009年度で1125億円。うち、ツムラのシェアは83.6パーセント。
http://www.tsumura.co.jp/zaimu/business/bsn/07.html


こりゃホメオパシー叩きをやりながら漢方薬を取り上げないなんちゃって懐疑主義のお医者さんたちに深く同情する。大学病院にお勤めの先生とかとくに、表立って問題にできないわ。開業医の先生なら自由が利くだろうけれど。


しかし、そこで空気を読まずに声を上げるのが懐疑主義者の懐疑主義者たるゆえん。擬似科学批判が成立しうるのは、こういうところに本来はあるはずなんだが。


一方で、ホメオパシーの市場規模は2002年度で22億円程度。
日本のホメオパシーの市場規模 - 今日の雑談


それから8年たってるから、まあ数十億円規模ではあっても100億を越すことないんじゃないの。


それにホメオパシーのほうはやりたい人が自分の金を使ってるだけ。漢方薬は違う。


さて。ホメオパシー漢方薬懐疑主義者にとってどちらの問題がより重大か。答えは明らかなのに、漢方は肯定して、ホメオパシーだけ問題視して大騒ぎするの、本当に、おかしいわけだ。

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こういう事態をうまく整理しようと思ったら、消費者問題としてホメオパシーを扱うしかない。これならまだ理解できるけど、その代わり科学がどうの科学の方法論だのというお説教はやめてもらいたい。どうせ、懐疑主義擬似科学批判もどうでもよくなってんだもの。だったら「消費者問題に関心がある理系の人たち」って括りのほうが分かりやすい。


本当は、この問題はニセ科学批判派にとっては重大のはずで、ようは消費者問題と割り切って「ニセ科学批判は科学の問題だ」という詐称をやめるか、あるいは Skepticism と Rationalism の集団であるという自己規定を徹底させるか。どっちかしか道がない。そういう問題なんだけどね。


まあ、みんなスルーしてしまうんだろうけどね。。。