リフレ派が気楽にリフレ、リフレと講釈しまわって、じゃあ経済学者は自分の言ってることに責任とれるのかって、本当に日本銀行に入れてみたら、吹くだけ吹いて、現実は言っていたようにならず、そのくせ誰もろくに責任をとらない、謝りもしないし、自分たちの間違いも認めなかったどころか、責任は他人になすりつけまくっていたということが、なにかと思い浮かぶ今日この頃。

 

もちろん、失敗を認めない政治がバカ、それは当たり前。だけど、リフレを首相にアドバイスしたり、実際に日銀のボードに入ったりした専門家たちの責任もやっぱりあるはずで、素人から批判されたくないわいといくら言われても、

 

「あんたがた、2年で物価をどうするって言ってたよね?!」

 

って、さすがに素人でもそれは言うわ。むしろ、言わなきゃいけない。

 

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おそらく政府は4月上旬、どんなに遅くとも中旬には実効再生産数がおおよそどうなっているか知っていたはずだと思うんだけれども。

 

つまり緊急事態宣言を正当化するために、私たちにわざとデータを見せず、梯子を外していたという話になってもおかしくない。そこが問題なんじゃないの?

 

もっとも、政府側にも言い分はあるはずで、

 

「いやいや、だって、あんたがた、緊急事態宣言を出せ出せとうるさかったじゃないか」

 

と言うに決まっている。国際世論もうるさかった。(私はイタリアが厳格なロックダウンを導入した理由の一つは、イタリア政府が外出制限をしてみたら、それが有効ではなくて人出かあるとイギリスメディアに突つかれたからではないかと疑っている)

 

ロックダウンに懐疑的だった私ですら、宣言発出はやむを得ないのかなと思ったくらいだったが、もし当時、数字を教えられていたらどう考えていたか分からない。もし、宣言発出時点で実効再生産数が1週間以上の間、1を割っていると公表されていれば、どうなったろう。

 

ましてや、データが出た後の緊急事態宣言の延長についてどういう意味があったのか、ちゃんと検討しよう、と言わないほうが嘘でしょう。

  

専門家や医者の界隈で「西浦先生が日本を救った」みたいな話をするのは今後のために決してよくない。ましてや、仲間内の論理で擁護するんだったら論外。専門家としての信頼を失ってしまう。

 

専門家たちに言って欲しいことはそういうことではない。

 

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専門家グループに考えて欲しいのは、どうして日本の自粛程度で緊急事態宣言を必要とせずピークを越してしまったのかということ。

 

3月中下旬の「緩み」による感染の拡大がそれほど目立ったものとは思えないし、当時懸念されたプロレス興行の影響も言われていたほどではなかった。

 

あれだけ叩かれたパチンコですら、やはり単なるスケープゴートでしかなかった疑いが濃厚で、こういう状況を放置していていいわけがない。次の流行で、叩きやすい対象を根拠なく叩くことを繰り返してはいけない。

 

何が良かったのか、どこに注意すればよいのか、もっとピンポイントで分かれば、随分対処が楽になるはずで、これまでの自粛のように大きな網でバサッとやるのは無駄な部分が多すぎる。それは誰の目にも明白だろう。

 

なので「新しい生活様式」なるものも意味が薄いように思われてならない。無駄な部分が多すぎるのだから、どこが無駄な対処でどこが有効だったかを、できるだけ検討してほしいし、そういう検討をしてるんでしょう。

 

専門家グループに今期待されることは、それ以外にないと思う。仲間内の擁護のしあいは、みっともないだけで、聞きたくない。