二題


・イタリア人には「ドイツはうまくいっている」とだけは言わないようにしている。

 

いまコッホ研究所のサイトを見ると、感染者が91,714人、 死者が1,342人。勘定の基準が違うなどいろいろ言われているけれど、欧州の中では成績優秀な部類だろう。

 

同じように、プライドを傷つけないようにする必要があるのはたぶん他の国の人たちにとっても同様で、イギリス人にも「でもドイツはよくやってるよ」とか言うと、表面上はともかく、腹の中ではものすごく恨まれそうだ。

 

というのも、英国の公衆衛生学や疫学のレベルは高いんだろうと思うが、今なされている語り口とでもいうか、語りにまとわりつくレトリックやメタファーから、ああ、ドイツに負けるのがよっぽど悔しいんだろうなあという空気をどうしても感じてしまう。

 

でも、だからこそ潔く「たくさん人が死にます」と最初に宣言したボリス・ジョンソンはよく言ったと思うんだけど。

 

 ・ニューヨーク州知事のアンドリュー・クオモが人気だという。もちろん、どう考えても、こんな惨状になるまで放置しておいてなーにが、と思うわけだが、テレビで見る彼の姿に熱狂する在米日本人なども、率直に言ってどうかしているだろう。

 

これは私は直接見ていないのだが、英米のテレビを見たおしている知人が「クオモは、ほんまにけしからん!ひどいでー!」と。何かと思ったら、弟のクリス・クオモがひどいという。

 

CNNで、自己隔離した部屋から放送し、中身は結構扇情的で、なぜかバイデンの名前がちらっと出てきたりする。

 

クオモ兄弟で名前を売る戦略に出ているわけで、適当なところでバイデンに恩を売るんだと思う。民主党ニューヨーク州予備選挙を6月末にやるのかどうか知らないが、そのための仕込みだろう。

 

で、当然、ただいま62歳のアンドリュー・クオモは4年後の大統領選挙を狙っているはずだ。

 

こんな話、日本人が羨ましがるようなものではないだろう。