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吉崎達彦の「不規則発言」はいつも見ているが、3月10日のこれはひどいと思う。
●森友学園
どうでもいい話をしつこく追いかけているうちに、とうとう死人まで出てしまいました。財務省は気の毒だなと思うけど、こんなことを追いかけている野党やメディアは、とても尊敬する気にはなれませんな。こんなことで政権が倒れるとでも本気で考えているんでしょうか。
吉崎が言いたい理屈はいろいろ察することはできるのだが、「どうでもいい話」を「どうでもよくない話」にしてきたのは、当初から一貫して政府であって、野党やメディアではなかった。ぼつぼつと政治学者たちの tweet でも言われているが、最初から適切に対応しておけば、こんなことにはなっていなかった、かもしれない。(私は、それでも筋が悪すぎて一国の総理や総理夫人がこんな案件に絡んで周りを巻き込んでいたこと自体、あまりにもひどすぎると思う)
「どうでもいい話」で人を一人死なしているのは、野党やメディアではなくて、政府、とくに政府が守ろうとしている安倍さんで、首相が自殺を誘引したも同然だ。これで怒らないほうがおかしいよ。
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財務省が文書を書き換えて国会に報告した。それが大臣・内閣の責任になるかどうか。
すぐに大臣はやめろ、内閣総辞職だと騒ぐのは愚かだ、なによりしっかりした検証・再発防止と信頼回復に努めるのが最優先で、政局に持ち込むのはどうか、という割に真面目な声がある。
いろいろ議論があると思うが、単に政局に持ち込みたいだけの議論と切り離して考えても、ちょっと難しいのではないかと思う。
第一は、この種の話が、財務省と籠池についての件に限らないこと。先日の厚生労働省のデータの話、防衛省の日報の話、全部根っこが同じように見える。
第二は、籠池の話はダイレクトに首相の問題であって、「首相夫人がアホだから」で済ませられないということ。財務大臣の責任問題にならないとおかしいと思うが、「なんで安倍の嫁の尻ぬぐいをわしがせにゃならんのだ」と麻生太郎でなくても、誰でもそう思うだろう。
第三は、いくら信頼回復に努めますと首相が言ったところで、「泥棒が二度と泥棒しないためのルールを決めて、もうしませんと宣言する」ようなもので、誰がそんなものを信用するか、ということ。
ぱっと思いつくだけでも、こういう疑問が出てくる。「なんでも政局脳」に対して距離をおきたい気持ちは分かるが、かといって「政局脳」を批判して済む次元ではないし、それで済ませていてはいけないように思う。
これが、官僚が保身だけで悪さをしたなら、まだ議論のしようはあったけれども、今までのところ、そういう問題では済みそうにない。
ところが、安倍さんは、選挙中、籠池に騙されたと言い切って開き直っていた。こういうところで自分は被害者だと言って、トカゲのしっぽ切りをするリーダーに、どういう組織がついていくのか、はなはだ疑問だ。呆れるほうが普通ではないか。