腹立ち

ホメオパシー叩きを眺めていて勉強になったことの一つは、まあ誰も肝心なことを言わない、お医者さんたちでさえどうも言わないということ。いくらホメオパシーを叩いたってダメ、医療費が足りない、カネをくれってだけでもダメ、大事なところはそっちじゃないらしいんだけど。


例によって権丈先生からの受け売りだが、新潟歯科医師会の会報でこういう記事があったらしい。まとめすぎてちょっと断言しすぎだとは思うけど。
http://news.fbc.keio.ac.jp/~kenjoh/work/
http://news.fbc.keio.ac.jp/~kenjoh/work/100930niigataishikai.pdf

本報告書は、200頁以上に渡り、医療による経済成長だの、診療報酬云々を言う前に、医師が知っておかなければならない日本の経済状況が書かれている。同時に、医療界の無知を鋭く指摘している。権丈善一委員(慶應義塾大学商学部教授)の文章を抜粋して紹介する。

以下、抜粋。

日本の国民負担率(GDP に占める租税社会保険料の割合)はOECD30か国のうち、下から4番目であり、下には韓国、トルコ、メキシコしかない。この負担率を上げることを政府が国民に問う勇気がない状態が続いていた。こうした財源調達制度の欠陥のために、一般会計の中で大きな比率を占める医療費に対して抑制がかけられてきた。ところが多くの医療関係者は医療費亡国論を批判しさえすれば、医療費抑制政策の転換が行われると思い続けてきた。

社会保障費はこの10年間でかなり増えているが、文教科学振興費や公共事業は相当削られている(図)。社会保障費自然増に対する国庫負担2,200億円の削減はあったが、他の領域も財源が大きく不足しているのが実態である。

日本の医療が危機に瀕するまでになってしまった原因の多くは、医療界のオピニオンリーダーと目される人たちや自認する人たちが、荒唐無稽なことを言い、そういう考えを強く信じ込ませてきたことにある。彼らは揃って実行不可能な主張を説き続けてきた。

国民負担率が上がらない限り何も変わりようがない。負担増も社会保障のカットも民主党政権の公約違反となってしまう。しかし社会保障の給付増を行うためには負担増しか選択肢がなかったことは、何年も前から分かっていた。

だんだん腹たって来ません?ホメオパシー叩きやって正義ぶってるお医者さんたち、、、だけでなく、ホメオパシー叩いて喜んでる人たちの無責任ぶりに。


僕は腹たちますよ。