欧米の指導層が新型ウィルスを過小評価していた、という話が出ているが、それもどうかと思う。

 

2月いっぱい、準備する時間はあったのに、どういう準備をしていたかというと、感染爆発が起こったときの準備をしていたというふうにしか見えない。

 

独仏がどこまで持ちこたえることができるかよく分からないが、メルケルは人口の7割が感染する(が対策は無意味ではない)と言い出すあたり、ギリギリまで頑張った後は突撃するんじゃないか。イギリスとアメリカについては最初からこのまま突っ走る気なのだろう。もっともアメリカがそこでぶれちゃいけないのだろうが、そこは選挙で勝ちたいトランプだからどうなるかよく分からない。

 

 

英国や米国だけではなくて、他の欧州の各国政府にとっても、新型ウィルスによる死者が仮に増えても、別に困らないという考えなのかもしれない。

 

一つは、そのほうが結局早く片付くし、コストもかからないんじゃないの?日本流にじとーっとやる方が、死者数は少ないかもしれないが、時間とカネがかかりそうに思うのだがどうなのだろうか。

 

もう一つは、このウィルスで一番打撃を受ける人たちには、他方では社会福祉の恩恵を受けている人たちが少なくないはずで、福祉に関するコストを削るいいチャンスだ、くらいに政治家たちが考えていたって、私は驚かない。

 

ようは高齢者がバタバタ死んでくれるんだから、年金財政が助かるやないかという話であって、日本の財務省あたり、

 

「医者がいらんことしよってからに」

 

と考える向きがあっても、もちろん倫理的に問題がないとは言わないが、批判する気に私はならない。

 

米国の新型ウィルス対策のやる気のなさもさりながら、欧州のこの生ぬるさは、単に新型ウィルスを過小評価しているとかそういう問題だけではどう考えても収まらない。

 

なにせ、今までずいぶん準備の時間があったのに、ほとんど何もしてきていない、したような気配がない。

 

たぶん、コストカットのチャンスだと割りきっているのではないか。