日本政府の広報の下手さが際立っているような印象がある。

総理のあからさまな不正については根性と屁理屈でむりやりな広報をするわりに、今回の新型ウィルスのような、真面目な広報を必要とするときに、

「男は黙ってサッポロビール

をやっている。日本政府の対応には相応の一貫性合理性があるし、この状況でむしろよくやっていると思うが、それを広報して理解を得ないといけない。

すでにいちいち隔離をしてどうの、という段階は終わっていて、どうせみんな感染するので重症患者以外は家で寝てくださいということを訴えないといけない。

そういうことを言っていないわけではないが、ところが、国民サイドはそういう理解の段階にまだないので、一人でも患者を出さないように、などと言い出す。無駄だってのに。

しかも、この広報の難しさはもうひとつあり、当然日本語と英語による広報が必要だが、現実に沿ったことを認めると、日本は新型ウィルスに屈服したとみなされ、過激なリアクションが世界的になされてしまう。

世界的には、自分たちはまだ大丈夫と信じている人が多いが、現実は全く違う。自分たちのことを棚にあげて日本を責めるはずで、これは避けないといけない。

そういう難しさがあるのは理解するが、狭い道を通るような広報はしないといけない。

しかし、ようやく世界が動き出した。感染者数を低めに出しておくことができなくなってきた。何をしても無駄だという現実が知れてくるはずだ。