久しぶりに東京に行ったが、今回は考えさせられることが多かった。

 

特にこの街は人間が多すぎるために、人間関係のありようがおかしいのではないかと思う。

 

 

よく言われることだが、人にぶつかっても謝りもしないし、平気で人を押しのけ、人が座っている椅子を無理矢理動かす。

 

一声かければ済む話のことをほとんどやらない。私の住んでいるような地方都市で、これはできない。

 

つまり、人間が多すぎるので、少々のことで謝っていたら切りがない、ということであって、それはよく分かるが、これは結局、他人に対する過度の無関心しか意味しないのではないだろうか。

 

たしかに、どこでも都市生活者は多かれ少なかれそういう傾向があるとはいいながら、知らないもの同士でも声をかけあうことは、ヨーロッパなら普通に経験したことを思い出す。少なくとも、ここまで他人に対して無関心である感じを持ったことはない。

 

知人女性は東京のさる駅で貧血で倒れていたら、駅員が対応するまでほったらかしにされていたそうで、こういうことは他国では考えられない。私はローマで、バスの中で倒れた老人を皆で病院に連れて行く場面を見たことがあるし、顔から血を流していた路上生活者のおじさんを救急車が来るまで他の通行人と一緒に面倒を見たことも私にはある。

 

そういうことを知っているので、他人に対する過度の無関心ぶりに恐れ入ってしまった。

 

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他人に対する過度の無関心の裏返しとして、仲間内・身内だけしか見ていないこともよく感得された。

 

今の日本人がなんでここまで身内の内部しか考えないようになったのかと前々から思っていたが、なるほど、ようは東京だと普段からこうなのだ。仲間内・身内を優先させて平気でいる。

 

だから、他人との接触の仕方が全く分からなくなってしまっているように見える。

 

その割に、他人からどう見られるかということだけは過度に意識しており、私には意味不明だ。これでは、病んでしまうだろう。