前回の記事で、高校受験の面接試験を受ける中学生たちが、「ノックは3回でないといけない」「ノック2回はトイレ用」という話を鵜呑みにしていて、呆れた話を書いたが、こういう記事があった。

 

「面接でノック2回」「室内でコート」は本当に失礼? プロのマナー講師に聞いてみた(ITmedia ビジネスオンライン) - Yahoo!ニュース

 

ですので、私は「ノックを3回しない人は間違っている」「このマナーに絶対従わないといけない」と断言するつもりはありません。ネット上で「回数は気にしなくていい」という議論があることも知っています。

 ですが、マナーに敏感な人が増えており、「2回は失礼」と考える人が一定数存在することも事実なのです。「マナーは他人を不快にさせないためにある」というのが私の考え方なので、気にする人がいる以上は、ノック回数に気を配るべきだという考えのもと、2回ではなく3~4回ノックするよう指導している次第です。

 

この理屈を見ると、他人が何に不快さを感じるのか、だれにも分からないのに、そこを基準にして「マナー」をこしらえていることがよく察せられる。

 

では誰かが「3回のノックはこれこれの理由で失礼」という話をでっちあげて拡散し、それを信じる人が出てきたらどうなるのだろうか。


本当に「マナー講師」ならば、つまり「先生」といわれる人ならば、「不快」に思うほうが間違っているとはっきり言わないといけないのではないか。

 

どうしてそこまで他人の「不快」に振り回されねばならないか。

 

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「マナーに敏感な人が増えてきている」というのは、真偽不明の「マナー」なるものを根拠に威張りたい人間が多い、そしてそれに振り回されている人が多い、という面もあるんだろうと思う。

 

実際、この記事の冒頭でも記者が、アルバイト先でノックを2回したら、激怒された話をのせているが、そこで激怒するほうがバカだとどうしてはっきり言えないか。 

 

実際、後にも先にも、そのことで激怒されたことはないということだから、その種の人間がいかに愚かか、よく証明していると思うが、「マナー」というのはバカに合わせることらしいからいかんともしがたい。

 

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「他人を不快にさせる」という大変にぼんやりした基準で行動することを気にし続けなくてはいけないから、

 

だから、随分病んだ人が多いのではないか。コミュニケーション上の問題から、対人関係を過剰に気にする人が少なくないのではないか。

 

なにも、私がまともだというつもりはない。しかし、こういう無駄なストレスに正当化を与えて流通させることには強く抵抗したい。

 

単純な話、他人の不快を気にするあまり、自分の不快のやり場がなくなるようでは、そりゃあ病むだろう、と思われるのだ。