・CNNですら、経済をどうするんだと言い出してるらしい。そりゃそうだろう。

 

一番問題だと思うのは、感染症や公衆衛生学の学者たちが、社会問題になると途端に情けなることで、例えば私の身近なところでは音楽家はどうするんだという問題がある。

 

ミュージシャンは有料のネット中継があるじゃないかとか簡単に言われてしまうが、実情を何も分かっていないから、学者はそんなことを気軽に言えるのだ。ホールに集客するだけでも大変なのに、無料ならともかく有料のネット中継で売り物になるのは、ネームバリューのあるところしかないうえ、そもそも何人以上集まるなという縛りまでかかっていては、室内楽さえまともにできない。

 

飲食店などでも「持ち帰りに転換すりゃいいじゃないか」と言うのは簡単だが、それで利益が上がるような店は一握りだろう。そこの飯がうまいからではなくて、その店の人としゃべりたいから、雰囲気が好きだからそこに行く、ということの方が多いからだ。

 

もちろん、当事者たちは生き残りのために真剣に考えないといけないのは間違いないが、それにしても、

 

「学者は生活が保障されてるから勝手なことを気軽に言えんじゃないの。」

 

と正直言ってそう思う。

 

命と経済を対峙的にとらえるのは間違いだ。どちらも大事であって、リスクを社会としてどのように吸収するかは、医者や感染症の学者の観点からは全く別の意見が出てきて当然だし、そこはよく議論しないといけないのだろう。

 

感染症対策を戦争の比喩で物語るのはいかがなものかと思っているが、この比喩をあえて日本に当てはめるとこういう話にしかならない。

 

つまり、誰かが「ご聖断」を下すまで、外地で何万人死のうが、空襲や原爆で焦土と化そうが、「本土決戦」まで徹底抗戦しようと主張する人間の声がデカい、ということになる気がする。

 

無論、今の現実は幸い、この比喩には当てはまっていないが、さしずめ現代の「ご聖断」を下すのはアメリカだろう。

 

今後は米国に日本は追随するんだと思う。欧州もきっとそういう形になるはずで、同盟の内々で話ができていても全くおかしくない情勢に見える。

 

抗体検査の話が日本では表に出てこずに、先にイギリス、アメリカから出てきたのは大変に興味深かった。

 

ロックダウンをしてみたって、すぐに再流行するのは明々白々で、中国では実際そうなっており、さてどういう落としどころになるのか、あえて言えば興味津々だ。