以前はよく、「学校の勉強しかできない人間」という言い方があった。今でも同種のことは言われるが、要するに学校の勉強はできるかもしれないが、それ以外の人間らしさに欠けている、それだったら学校の勉強ができなくても有能な人はいるだろう、というようなことだろう。

確かに、そういうパターンの人間は少なからず存在しているようだ。私もそれは嫌いだ。

ところが、今はどうかというと、

「学校のお勉強程度もできない人間が」

と言ってやりたい場面が多々あるように思う。

最低限のお勉強もできない人間が、なにかの拍子で社会的に上位の立場に立つと威張る、というパターンが、多すぎやしないだろうか。

それだったら、お勉強くらいはできる人間のほうがまだましだ。

「あんたはそれほどえらい人間じゃないよ、バカ」

と言ってやりたい人間が五万といるが、もっとも、そういってやりたい人間は勉強できるできないに関係ない。