ネットでは、立憲民主党はかつての自民党の左派だという話が出てきているのを見て、さすがにそれは言い過ぎだろうと思った。

宏池会系や後藤田正晴のような政治家が共産党社会党選挙協力をするか、と。

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と書いてから、ここで小林よしのりの演説というのを読んだ。
「自民党は保守じゃないんですよ」 漫画家・小林よしのりが応援演説で語ったこと

要するに、左翼も右翼も根はナショナリズムの一点で一致していてあとはコインの裏表だということにすぎない。むしろ、ナショナリズムの文脈で経済左派なのは、それこそ「ファシズムっぽい」のであって、そういう自覚は持たれたほうがよいと思う。ただし、これは安倍内閣とその支持者も同じだ。

で、ナショナリズムの点で右も左も結局同じというのは、「イデオロギーの時代は終わったんだ」という声も見られたが、そうではなくて、これはそのまま冷戦時代とたいして変わってないんだろうと思う。

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イデオロギーの時代は終わったどころか、多くの人の頭の中は依然として冷戦時代のままで、鉄のカーテンが残ってしまっている。これがヨーロッパであれば、日本より厳しい現実と直面していたので、冷戦の終わりの影響はより明確に感じられたはずだ。その象徴はもちろん東西ドイツの統一が挙げられるが、もっと細かい各国の政治状況においても冷戦の終わりは明確で、その混乱は少なからずあった。

日本ももちろん、冷戦の終わりの影響を大きく受けたものの、ヨーロッパほどの直接的な影響を受けていない。だから、人々の頭の中が依然として冷戦時代のままで、それで右と左で議論しているように思われてならない。

イデオロギーの時代は終わらないと思うが、冷戦が終わって20年はたとうかというのに、人々の頭の中が変わらないのは良いことではないはずだ。