抑止力の向上など: 石破茂(いしばしげる)ブログ

NHKニュースは政府の発表として「ミサイルが午前7時4分頃、日本の領域に侵入し、午前7時6分頃、領域から出て、午前7時16分頃、襟裳岬の東およそ2000キロに落下した」と伝えました。
 「領域」とは領土・領海・領空の総称であるため、高度500キロ以下を飛翔したのかと思っていたら、その後の発表ではこれをはるかに上回る高度であったようで、我が国の国家主権の及ぶ「領域」も「領空」も侵犯はされていないはずです。
 細かいことのようですが、国家主権が侵犯されたか否かでその意味は全く異なるのであり、どうしてこのように基本的なことがあやふやのまま発表がなされたのでしょうか。本日の自民党の会議で政府はその誤りを認めましたが、何故、情報を伝えた防衛省も、受け取った内閣官房も、「領域」ではないことに全く気付かないままに発信してしまったのか。南スーダンの「戦闘」という日報の表現を巡って大混乱に陥ったことに対する反省が活かされていないのではないでしょうか。

「本日の自民党の会議で政府はその誤りを認めました」とはどういうことなんだろうか。

Jアラートに意味がないどころか、有害になりうることにも触れられているが、次が肝要だと思う。

いずれも核抑止の実効性と国民保護を徹底させたからこそ、ヨーロッパにおいて冷戦に勝利し得たのであり、議論さえ行わない我が国との差は歴然としています。

本気で核に向き合うならば種々の議論が必要なはずだけれども、現実は朝鮮半島情勢を政権維持に利用するばかりだ。これがそもそも危険だ。

石破茂首相候補として支持するかどうかは脇に置いておいて、趣旨には全く同感する。

こういう問題を政権維持のネタに利用して、不祥事を糊塗しようとする姿勢が許容されていいわけがないんだが、地政学を勉強しましたという人まで左翼を嘲笑して済むと思っているらしいので、ネットの空気はどうかしている。