電車の中で小さな子供が泣いているのを、同じ車両におじさんがうるさがって次の駅で降りろと怒ったら、逆に周りの客が次の駅でそのおじさんを降ろさせた、という話を読んだ。

これだけをとれば、確かにいい話だ。

ただ、こういう場面での団結は割にやりやすいのであって、もっと深刻な、もっと困窮した、そんな状況で、日本人は、はたしてこういう連帯と団結を示して抵抗しているか、と疑問に思った。

ストライキはやらなくなって久しく、デモですら忌避されるのに、連帯も抵抗もないのではないか。

これは、左派の立場から言うのではない。私自身は自分のことをむしろ中道右派だと思うが、右派というのは権力に唯々諾々と従うことではない。必要があれば、抵抗しなければならない。自分を救うために。そして一人では弱い存在だから、連帯が伴う。

もっと連帯を。もっと抵抗を。

守らねばならないものは、電車の中の赤ちゃんだけではない。