黙っていられないこと part21

水道橋博士って政治のネタ化・ショー化を促進しているだけだと思うので、確かに面白いんですけど政治ネタに関してはあまり支持する人ではありません。だからTwitterも見てないんです。


ただ、次のTweetにはいささか思うところはあるわけです。
http://twitter.com/s_hakase/status/259954462892892160

4・多くのリベラルな言論人が橋下とは論争しないで「無視する」のが一番。という風潮にすらなっています。僕は〈そうかなぁ?〉と、いつもそこには疑問です。

たしかに、戦略的に沈黙することが結果的には橋下には有効だという議論はあると思うんですよ。実際、まともに議論したところで彼は例によって吠えるネタとして利用するだけで、視聴者は拍手喝采して終わるだろう。


ただですね。


メディアが橋下を好意的に扱い続けている以上、戦略的沈黙は現状を黙認して結果的に同意を与えているだけなのではないか、という気がこのところしています。


その意味で、佐野眞一がなぜあれを書こうとしたのか、気持ちはよく分かるわけです。


人格批判どころか、まともな政策の批判すらできないメディアに対して、メディアのふがいなさに対して、そりゃ誰だって怒るでしょう。


だから、佐野が書き始めたんだったらもうとことんまでやるべきだと思いますよ。それはそういうものです。朝日サイドは仕方がないとしても。

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戦略的沈黙派で、結果的に佐野眞一をあそこまで怒らせているわけですが、現状をただ黙認して同意を与えている点についてどう思うのか。そこは話を聞いてみたい。


たとえ話が適切かどうか分かりませんが、こういうことではないのかと思っています。


学校に暴力事件暴行事件を起こすひどい輩がいる。その連中は問題だと皆知っている。いずれ問題になるし嵐は去るだろうとも思っている。だから見て見ないふりをしている。その方が賢明だ。


しかし、では、そこで暴行された側はどうなるのか。暴力事件を「いじめ」と名付けられて実態を反映しない解釈をされた側はどうなるのか。

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私はそこで怒る人がいて当然だと思う。暴力事件の加害者たちに刃物を振りかざす程度に怒ってもやむを得ないし、あるいは場合によってはそうするべきなのかもしれないとすら思う。


そこで「それは法律違反だ」というのはただの賢しらだ。。。正当防衛なのか過剰防衛なのか、知りませんけれど。でも、他人が刺しにいくと犯罪は犯罪でしょう。


そこで「暴力はいけない」としたり顔で分かったようなことを言われると、もっと腹が立つはずです。「暴力はいけない」というのなら、なんで最初から止めようとしなかったのか、と。


現状を黙認することで結果的に暴行事件の加害者たちに同意を与えてしまっている、そのことを直視しなくて本当にいいのだろうか、と。


でも、誰もそこまで深刻な問題なんだと思ってないから、ケロッとした顔で差別はいけないとか言い出して正義にただ乗りして済ましてしまっている。それでいいわけがないのに。


しかも、こういう人物がついに総理大臣にまでなろうかという持ち上げられ方をされ続けてきて黙っている、怒らないというのは、もうちょっとどうかしている。勘弁してくれと。

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佐野は一度書き始めたんだから最後まで徹底的にやるべきだと思う。それは彼の過去の業績を「晩節を汚す」という形で無にするかもしれないけどそれでもやるべきだと。そういうわけで。