ネット○○派 part273 ニセ科学対策なんてどうでもいいよ

震災後のエントリを見返していたら、一つ間違えていた。
ネット○○派 part237 呆れ - 今日の雑談

一つは、「科学」そのものの信用性が絶賛暴落中でありますので、「科学」の信用性を借りた「ニセ科学」も同時に使えなくなるだろう、ということ。

これは間違えた。


震災以後、知人に武田某を鵜呑みにするのがいる。別に読むなとも思わないし参考にする分にはいいんでしょうが、何度も彼こそ「本当の」科学者だみたいなことを言っている。たぶん、この理屈や感覚は僕の知人一人だけじゃないと思う。


つまり、オーソドックスな科学者は信用ならないと全否定して、無条件に信用できる学者として武田某を持ってくる。ということは、科学そのものの信用性は暴落してないということでしょう?


ただ、この知人はもともとそちらに走りやすいタイプの人だったので(かかりつけの鍼灸医の言うことを鵜呑み・西洋医学軽視・自然派・政治的に左云々。道具立てがそろっていた)、こうなるのも分かるんだけど、結局まあ、いわゆる「トンデモ」にはまる典型みたいなパターンと言えるかもしれないね・・・


でもこうなると、同じエントリに書いたように、

そこで一体、ニセ科学を馬鹿にし続けることに何の意味があったのか、科学への信頼と理解をより高める努力をもっとするべきだったんじゃないですかと。「ニセ科学批判」みたいな安易な道じゃなくて、教育レベルでもっと当たり前の、普通のことを充実させるよう努力するべきだったのではないんですか。

という話に、余計になるんだと思うんだがな。ニセ科学が悪いトンデモが悪いと言うよりも、なんかもうちょっと普通に考えられません?という段階でもうずれてる。こういう人を見てると、「ニセ科学対策」とか、本当に意味ないんだよ。

追記
読み返してみて、日本の左翼ってのもせわしないことだねえと笑った。漢方や「自然」の方向を向くかと思えば、外国の真似してニセ科学批判をやって合理性を尊んでみたり。こんなねじれがあるから、ニセ科学批判は漢方も鍼も擁護せざるをえなくなった。アホくさいんだ。

追記2)
hamachan先生のところで見かけて、噴いちゃったんだが。
http://twitter.com/#!/kurokawashigeru/status/99811285071429632

(前略)あわせて、就職活動の学生に、日経読まなくては、と強要し新人のどいつもこいつも日経しか読まないのもそう。(後略)

これは噴かざるを得ないw。


強引につなげちゃうと、日経しか読まない新人って、武田某をいきなり無条件に信用するようなやり方しか知らない知人と大して変わりなさそうw。


ネット時代の「リテラシーのあり方」というよりも、そもそも昔から新聞の読み比べを進んでやるような大人が多数派だったとはちょっと思えないわけで(ちなみに、うちは日経と地元の地方紙と二紙とっていた)。ようは一紙取ったらそれ以上、新聞を取る必要がないと考えるのが普通だ(お金の無駄だし)。でも本当はそれではイカンはずで、今だったら、「マスゴミ」呼ばわりしながらネットの情報をいきなり盲信するようなタイプが同じことをやっている。


ここからさらに強引につなげちゃうと、「ニセ科学対策」と称して「俺様たち基準」によって認定された「トンデモ」「ニセ科学」をあげつらうのは、「産経はダメだから朝日読め」とか「就職活動には日経が必須」とか言い出してその通りになるのと、基本的に発想は変わりがない。


そうではなくて、本来ならば、紙の新聞を隅から隅まで毎日眺める、朝日と産経を読み比べる、聖教新聞世界日報を並べるとか、そういう地味なことをやった方が、本当はそのほうがいい。


これだけインターネットが普及してるからこそ、そういうことが大事になってくるはずだと思うんだけれども・・・