ネット○○派 part142 だって反対運動の中核がダメだから
大前提は、山口貴士弁護士はダメだ。これが大前提。いくら法律の専門家を名乗っていても、人権擁護法案に反対する専門家があるものかと。もう全然。
(追記)
これだけではあんまりだから、一応理由を書いておく。
人権擁護法案に異議あり!: 弁護士山口貴士大いに語る
こういうものはbewaadさんに限る。
archives of bewaad institute@kasumigaseki(2005-04-09)
人権委員会はいわゆる三条委員会(独立行政委員会。他に公正取引委員会など)として設置されるものであり、形式的にいずれかの大臣の所轄とされても、実際の運営においては高度な独立性をもつのが前例の示すところです。他の三条委員会に比べて制度的な独立性の瑕疵はないので、人権委員会のみが他に比べ一般の行政に左右されるとの指摘には根拠がありません。なお、内閣府への移管については、以上にかんがみれば実質的に独立性を左右するものではないと予想されます。
山口弁護士のブログに戻って。
日弁連の人権擁護委員会に法的な調査権限を付与し、勧告・警告等の処置についての効力に強制力を持たせるようにすればいいと思いますが、いかがでしょうか?
なに言うてはんの?と。
(追記終わり)
・・・話はこれで終わってよくて、この人の法律解釈に頼ってる時点でもう終わってる。たとえば、伊藤剛さんも山口弁護士のエントリ(第7条第2号から見える「東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例」の問題点: 弁護士山口貴士大いに語る)を引いて、
http://twitter.com/GoITO/status/12629649301442560
都条例、今回の条文で最大の問題はここだろうな。対象がエロだけじゃなくなっている。そこを知らずに「反対してる人はエロマンガ好きだけ」と言ってるひとがまだいる。
http://twitter.com/GoITO/status/12629934417649664
だんだん規制の範囲が広がっていくわけですよ。
といった具合に乗せられる。もういい加減にしてくれ。一応大学の先生やってんのにさ。
・・・
やっぱり藤本由香里さんは問題だとはっきり言ったほうがよいよ。そもそも、今回の反対運動の発端は、藤本さんの間違いにあった。
いい加減にしてもらいたいネットの反○○運動 - 今日の雑談
→http://kill-the-assholes.x0.com/honey_20100309.jpg
そして対象となるものが相当程度限定されているという認識があるのかどうかよく分からない。
http://twitter.com/honeyhoney13/status/12164715966889986
ちょっと訂正。倉田氏の答弁は「性的な刺激はしないが」「強姦・児童買春・近親相姦等の性行為がなんら特別なものではなく、通常ありうる行為として受け止められるように」描写しているマンガが、普通の書棚に青少年がいつでも手に取れる形で売っている、のが条例改正の理由であると。
http://twitter.com/honeyhoney13/status/12164944384495616
しかし、倉田氏のいうようなマンガがそんなにそこらじゅうにあるとは思えないのだが。
ならいいじゃないか。それとも、そこらじゅうにあれば規制してもいいのか。
さらに、対象の拡大の可能性を安易に説いて煽っている。
http://twitter.com/honeyhoney13/status/12537180840796160
@EAGER48 今回の条例案には、具体的な作品指定に対しては、とりあえず審議会が歯止めになる。しかし、刑罰規制に反する行為は描いてもならない、という発想を一度認めたら、それが「性犯罪」にとどまる理由はない、と私は最初から書いています
「性犯罪」にとどまらない程度に対象範囲を拡大させようと思えばまず議会を通さなければならない。で、議員を選ぶのは、都民の皆々様。まさに東京都民の「民度」の問題。日本の民主主義ってそこまで信頼できないものか?
ついでに、Tweet中にある倉田潤青少年治安対策本部長の答弁もリンクされていたので聞いてみたが(石原さんのは例によってまた吹いてるだろうと思って聞いてない)、自主規制を基本とすること、個別指定制度は現在有効に機能していて包括指定制度を導入する考えはないこと、対象となるものはかなり限定されていることを強調していて、別にどってことない、普通のお役人答弁にしか聞こえない。
http://www.youtube.com/watch?v=oXuvqxdVxTM
(追記:みんな浅川参事の「小説は読む人によって 様々な理解がある。 その点、漫画やアニメは誰が見ても読んでも同じ一つの理解しかできない」に釣られるね。ま、これはたしかに詭弁だ。意図を汲むとすれば、エロ小説よりエロマンガのほうがよりはっきりわかるやないか、みたいなことなんでしょうが。問題は「だから?」ってことだよな。これ突っついてもなんも出てこないよ。マンガが問題になりつつあるのは日本だけの話じゃないし)
・・・
ちなみに。
「対象が拡大される」というこの手の煽りや、いわゆる「ニーメラー」テンプレを真に受けるのはいかがなものかと以前から思っている。
たしか北欧諸国では、エロマンガ・アニメも児童ポルノの中に入れているそうだけれど、どうやって憲法上の問題をクリアしたのか、よく分からない。誰か書いてあるのがあれば見てみたいもんだと思う。
で。
それでスウェーデンが言論弾圧で悪名高いとかってことはないわけだ。はっきり言って、何でもかんでも権力を敵視して反対運動を煽る、ネット○○派による○○反対運動の繰り返しに、まただ、という思いしかない。権力を監視・注視するのは大事なことだけれど、でも主権者は一体だれなんだよ。
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こういうこと書くとだいたい、規制推進団体の無茶を取り上げないのは片手落ちだとか、石原の発言がどう、都議会の答弁がバカだとか言いたがるし、実際そういう人もいるんだけど、反対運動の主張がずれてるので、なに言ってもダメだと思う。
まあ、Twitterを見てると、なんといいますか、人権擁護法案反対運動のときにはまだよく見えなかったものがくっきり見えてくるので、ますますうんざりしてくるな。
もっとも、意外に「反対派批判」も少なくないようなので、その人たちの意見がどう広がっていくか、でしょうね。