ネット○○派 part44 

僕はこの人は、ニセ科学批判をすこーしなめてると思う。言葉悪いけど。
ホメオパシーの議論、7つのQ&A : 情報学ブログ
一つだけ言わせてもらうと、

疑似科学に詳しい人の中には、科学の立場からの説明に絞る代わりにコアな信者の説得は諦め、良く分からずに騙される中間層を食い止めることだけを目指すという人も少なくありません。これは科学の限界を踏まえた誠実な態度です。

・・・をやってる人もいるし、日本の場合、本来「ニセ科学批判」と称して科学分野に限定した以上、これ以外に道はなかったはずなんです。で、こういうことを考えていた人たちはあらかたニセ科学批判に見切りをつけて逃げているはずだと思う。

最近、ネットでホメオパシー問題を知った人の中には、まだ、この当たりの切り分けができていない人も多いのではないかと思います。特に、「人が死んでいるから」「ホメオパシーを有利にするから」という理由でメタな立場からの批判を拒否する人の中は、この当たりを理解していない人も多いのではないかと思います。

この認識が甘いと思う。ニセ科学批判としてはこういう切り分けをやってるつもりかもしれないけど、実際はやってこなかったし、事実やってないということに問題があって、それが今のホメオパシー祭りとなって現れている。


「人が死んでいるから」流の「害」の強調については、「第一人者」菊池先生も「害のないものの害」として自ら主張するところであって、はなっから「科学の限界を踏まえた誠実な態度」を超越しています。


だから、「切り分け」が出来ない人たちを、最初からとめなかったし、おそらくとめるつもりもない。


なぜこうなるかと言うと単純でね。一つは、「自分の味方になるなら全否定はしない」という政治的判断。これが一つ。それからもう一つ。


原理的にホメオパシーを否定するだけなら、他に否定しなきゃならないものもたくさん出てくる。そうなると、「カウンセリングみたいなホメオパシーはあってもいいか」「漢方とホメオパシーを一緒にするな」みたいな事は言えなくなるし、まして菊池先生みたいに「鍼灸は日本で長い歴史があるので、調査してみる価値がある」ってなことが本当に言えるかどうか、怪しくなるんですよね。(追記:と書いてから、早川先生のTweetを見たので、驚いた。同じこと言ってんじゃないか)


だから、原理的に否定するだけでなくて、それでもなお、特にホメオパシーがなぜ問題なのかを強調するために、「被害」を取り上げて、やれホメオパシー団体は反社会的だのカルトだのと言わざるを得なくなる。


しかも「優先順位問題」によって、実質的に批判対象基準はあってなきがごときものになっているので、自分たちが気に食わないものを叩けるように、もうなっちゃってるんですよねー。


ニセ科学は社会の蔓延」路線と「被害がけしからん」という消費者問題路線の二股が問題だというのは、こういうことなんですね。絶対負けない理屈になってるし、「批判対象」を叩くためだったら何でもありになる。


したがって、上の記事の認識はニセ科学批判に対して過剰な期待をしすぎであって、甘いのです。