専門家を信用しろというならば・・・

librahack問題とホメオパシー問題はどちらも専門家コミュニティと社会とのコミュニケーションの問題 - アンカテ
librahackのほうは知らないけど。

ホメオパシー問題もいろいろな角度から見ることができるが、一つの大きな問題は「どうして専門家コミュニティの警告に耳を貸さない人がこれほど多くいるのか」ということだろう。

ヨーロッパに限ると、ホメオパシーを使う医者がいたり、薬局でごくごく普通に売ってるので「専門家コミュニティの警告」と言っても、実感もてないんだと思う。単純な話。


とくに「警告」ってのは実感ないでしょうね。科学的根拠のあるなしはさておき、とにかく「効いてる」「それなりの役割を果たしている」となると、まあそれでいいじゃないかという話になりやすい。ヨーロッパにだってホメオパシーを無意味に利用して病気を手遅れにした事故があるわけで、それを承知で根付いちゃってんですよね。だから最後は「常識」の問題になってしまう。(「効果がないことが明らかになっている」と言えってか。でももう片方では、カウンセリングみたいなのならかまわないとか言い出してたわけでしょう?だから、ニセ科学批判の人たちとは議論が出来ない、言うことが違いすぎるんだよ)


で、僕はそれはそれでいいと思うんですよ。やりたい人がやりたいようにすれば。そこで「いや、その効いたと思うのは違って」云々と言っても仕方がないし、そこから先は疑似科学批判の話になりますよね。


日本だと、そういう土壌も歴史もないので、必要以上に「反科学」「自然」を強調して煽る「ビジネスモデル」で人を釣ってるというのはあって、だから専門家の言うことに耳を傾けてくれない、けしからん連中だ、というのは分かる。


でも、基本的にはそれなりに社会に共存可能な形でやりたい人はやればいいと思うんですよ。法律に触れない範囲ならば。「自然がいいわ」と思ってホメオパシーやりたい人には、やめろと言ってもどうせやるんだから、それをやめさせるのはかなり難しい話になってしまう。それに日本では補完代替医療に対する一般の認識が欧米と異なるそうなので(http://d.hatena.ne.jp/jura03/20100810/p1)、一般の理解を深める必要はあるということにしかならない。


ただ、Twitterをチラ見していて思うのは、そもそも専門家、この場合は医者もそこに入るけど、医者を信用してない人が結構居るらしい。もちろん、それはあくまでも「気分」であって、本当に病気になったら真剣に医者にかかるんだろうけど、でもなんとなく信用してない。


普段の経験から、たとえ「通常医療」であっても信用しすぎるのは考えものだということを、常識の判断で一般人もよく知ってるんだね。


たとえば、日本医師会ホメオパシーに対する反応も、日本学術会議会長談話に「全面的に賛成します」というだけで、具体的なことは何も言ってない。現実にはホメオパシー使う医者だって日本にはいるわけでしょう?どうするの?という疑問には答えない。


そりゃ信用されないわけですよ。まことに申し訳ないけど。


・・・と書いたらこのはてブ
はてなブックマーク - [PDF] ホメオパシーを使用中の患者様へ
そこまで言うなら帯津さんの医師免許をとっちゃいなさいよ。ついでに日本中のヤブ医者の免許も剥奪して、医師会の自浄能力を世間に示す。これなら、普通の人たち信用しますよ、きっと。