文脈から切り離せない
kikulog
改めて眺めてみたけど、面白いねえ。
面白いことの一つは、自称「なんちゃって左翼」の菊池誠先生、たんに左翼内部の比較でゴリゴリの人に比べて「なんちゃって」なだけで、普通の目から見ると「立派な左翼」だってのが分かってないらしいところ。政治的話題は避けながらも、ぽろぽろ書いてる。
きくち April 29, 2008 @23:17:03
市民運動がトンデモなものに染まりやすいこと自体は、「週刊金曜日」であったり、一部の環境運動であったり、さまざまなところで見かけるので、まったくその通りであると思います。実際、僕が市民運動的なものに(最初に)絶望したのは「週刊金曜日」の「買ってはいけない」が直接のきっかけですから。
しかし、それでいいとは思っていないので、市民運動の人はトンデモなものを排除する努力をするべきだと思う。
107. 芹沢 ? May 2, 2008 @11:44:42
(前略)本来、左翼思想の根幹は「理性による新世界」にあるように思われます。それゆえ本能に根差した旧来システムよりも脆弱である-----というのはまあ兎も角、理性によってしか論じ得ぬ思想であり、故に左翼思想家は常に理性的であり論理的でなければならぬ筈なんですが……それがどうしてトンデモに傾倒してしまうんでしょうね。嘆息するばかりです。
きくち May 2, 2008 @12:00:33
ヤパノロギーさん風の言い方をすると、左翼を名乗って陰謀論を支持するのは「ニセ左翼」なんでしょう、たぶん。なぜなら、合理的思考を放棄しているから。
書いたように、合理的思考であらねばならないとこだわればこだわるほど、その根底はあまりに非理性的になってしまう。ことと次第によってはニセ科学批判でもそう。
きくち May 25, 2008 @10:53:28
トンチンカンもいいところです。
僕はイラク開戦前に開戦反対デモに参加しましたし、アメリカのイラク侵攻はあきらかな誤りであると考えています。(略)
参考までに、すでに何度も言われていることを繰り返しますが、アメリカで911陰謀論を主張する人たちの一部は「ホロコースト否定派」です。「911陰謀論肯定」が「平和主義」と論理的になんの関係もないことを示すひとつの証拠でしょう。
デモに参加するなとは言わんが。
きくち May 2, 2008 @21:06:05
きくちゆみや藤田議員は影響力の大きさから考えて、叩くべき対象と言えそうです。
「叩くべき対象」だって。へー。へー。面白い言葉を使うねえ。
・・・というふうに読んでいくと、面白いというか、味わい深いんだ。
…
菊池先生は、このエントリでは政治問題にタッチするのを回避したくて、ウヨサヨ問わずとにかく陰謀論がいかんのだと主張し続けて逃げたつもりになってる。これは分かる。
でも、この911陰謀論批判の文脈は、911陰謀論には「『平和主義』と論理的になんの関係もない」、たとえば「『ホロコースト否定派』」が絡んでるから、平和運動が不純になることを危惧して批判しているわけだ。このへんが菊池先生らしいところ。(てことは、菊池先生の場合、左翼だからこそ左派政権のトンデモはいつもより余計に批判しなければならないってリクツだ。なにせ左派の信用にかかわる問題だから)
その文脈抜きに「とにかくトンデモはダメだ」とか「ダメなものはダメ」みたいな物言いが理解できない。
でも、他の人がそこだけ読むと単純に「間違いを間違いと言って何が悪い」と誤解する。。。というか、誤解を誘発して構わないような書き方になっている。つまりは頭脳プレーが過ぎる。
これだから菊池先生の書き物を僕は素直に読まないことにしてるし、他方でニセ科学批判になんとなくシンパシーを感じる程度の読み手はこの誤読に単純に引っ掛かる。
…
他のニセ科学批判ネタでも同じことで、ようは文脈から切り離して「科学とは」と高らかに論じても意味がない。別にニセ科学批判は政治的文脈のみで理解されるべしとは全く考えないが、そういう一面があるのでそこは考慮に入れなければならないのは当たり前の話。
だから、長崎大学のニセ科学批判のパンフレットがいかに素朴な考えで書かれていたかという問題なんだな。結果的にとはいえ、よくまあここまで煽ったもんだというか、善良な人たちを釣ったもんだ。