「優先順位問題」は最大の弱点

昨日の続きかな。
日本語の「懐疑論」ってちょっと変 - 今日の雑談
「優先順位問題」の問題は、基準をはっきりさせないところにあるんだということは常々書いている。


横文字の“Skeptic”は善かれ悪しかれはっきりしてる。ようするに、合理主義的世界観の押しつけ、キリスト教の否定などなどの観点からネタを選んでるんでしょう、あれは。だから、UFOとか超能力という話になる。これは理解はできる。


ホメオパシー批判もその延長線上にあって、日本と違って「代替医療」としてものすごく根付いているんだろうから、ああいう反応になるのも分かる。あたしゃついていけないけどね。


さて、日本だ。


日本のニセ科学批判は「優先順位問題」で逃げてしまってるから、基準が分からない。もっというと、「優先順位」を明確にすることでその思想の表明になるはずなのに、そこをごまかすから本音で何を考えてるか分からない。。。ということになる。


しかも、洋物の影響それなりに受けている。ホメオパシーネタに妙にアツいってのはそのいい証拠で、あれは単に“Skeptic”たちの真似でしょ。


ふっつーに考えた場合、日本でホメオパシーに相当するものは鍼灸・漢方あたりじゃないの。これを叩きまくってこそ「批判」たりうるんだろうけど、現実はホメオパシーのほうがネタになりやすく、かつホットエントリになりやすい。みんなホメオパシー叩きが大好き。


・・・と、このあたりがおかしくて、おたくら叩きやすいもんしか叩いとらんではないかと言うと「優先順位問題」で逃げる。あるいは逃げられると信じている。変でしょ。


念のために書くと、“Skeptic”のホメオパシー批判でも「これは社会にとって害悪」みたいな理屈を言う人もいる。


でも日本の場合、ニセ科学批判ってそれだけになる。ニセ科学の反社会性なり有害性なりを正義にして叩くしかなくなる。でもそれだけだと基本的に“Skepticism”と文脈が少し違う。しかもなまじ“Skepticism”の影響を受けているのに、「合理主義の押しつけ」の側面がどこまで自覚されてるのか、こんがらがっていてよく見えてこない。それも「優先順位問題」で逃げられるつもりになってるんだな。


やっぱり、「優先順位問題」はニセ科学批判の最大の弱点だろうなあ。