怖い発想

しかし、ひどいわ。
はてなブックマーク - 幻影随想: ホメオパシーがようやく英国から追放されそうな件について
一歩引いたコメントは、昨日引用したnofrillsさんと、もうひとりだけ。他は煽られすぎ。

cham_a 代替医療 以前「漢方が仕分けされるかも」問題時に、漢方をプラセボ的に使っている事を明かしながら突然やめる事の悪影響を危惧してた人がいたけど、英国でも似たような状況もあるんではなかろうか/すぐやめる事は結構困難

ホメオパシー批判では、ようは原理が問題だと言うのが目につく。つまり、原理的に科学を否定するところから入って、ホメオパシーを信じ込ませるから問題なんだと。


でも、この発想は怖いよ。科学を否定する信念を持ってる人間がいたら、その人はその信念を捨てなきゃいけないのかって話になりかねない。怖いでしょう。


もちろんそういう信念は困ったものだけど、といってこれを捨てろということはできないわけだ。なら、どの程度社会として許容するかが問題になる。これ、ニセ科学批判の人たちが考えてるほどそんなスッパリいかない問題だよ。
2010-03-01 - 今日の雑談

英下院の科学技術委員会の「ホメオパシーについての報告書」の件(記事リンク集つき): tnfuk [today's news from uk+]

私はこの件について英メディア(いつも読んでいるガーディアンとベルファストテレグラフとタイムズ、BBCでも見た記憶はある)のコラム・記事を読んでいるが、ホメオパシーが「一般的医療の否定、科学の否定」の上に立っていること(つまり、例えば「親が子供にワクチン接種を受けさせず、子供が病気になっても『薬』を与えず、『レメディ』と称する砂糖粒を与える」などといったことがある、ということ)を問題視している書き手は見かけていない(見てる範囲が狭いという可能性もあるが)。メディアで記事(っていうか読み物コラムだけどね)を書いてる人たちも、その記事(コラム)のコメント欄で何かをつぶやいていく一般読者も、「プラセボだっていいじゃない、治るんだったら」が基本だ。

そうだろう。その程度が一般的な認識なんだと思うよ。はまり込んでる人はともかくとして、一般的にはその程度なんでしょう。(略)


で、一番の問題は、一般の認識がその程度で、ホメオパシーを現実に許容してるのにも関わらず、社会は十分に機能してる。なら、なんでそこまでホメオパシーに熱くならなきゃいかんかということに尽きてしまうと思う。ようは、ホメオパシーに毒されて現代科学を否定するアホがどれくらいいるかってこと。

イギリスが科学を否定する魔法の国かっていうとそんなことになっとらんし、ホメオパシーがあっても別にどってことはないわけだ。それが現実。
はてなブックマーク - tnfuk [today's news from uk+]: 英下院の科学技術委員会の「ホメオパシーについての報告書」の件(記事リンク集つき)

VodkaDrive 社会, メディア, ホメオパシー, ニセ科学, ニセ医療 「NHSでホメオパシーはもう扱わない」ではなく、「NHSでホメオパシーはもう扱うべきではない」の段階なのね。それにしても、やっぱり大多数にとっては「どうでもいい」という反応か。この関心の薄さは日本と大差ない。


kamezo ホメオパシー, メディア 英国議会&英国メディアの現状と、なぜ160件もの記事が書かれているか。つまり理解不足を含むゆるい反応が大半だと(-_-)

そりゃ関心が薄かったりゆるくなるのも当たり前で、イギリスはホメオパシーと共存してきて現実には大して問題なかったから。日本はそういう歴史も土壌もないから変に見えるだけで、それを「理解不足」と言ってみても仕方がない。


ホメオパシーの原理を問題にして「有害だ」とやる前に、有害ならどの程度現実に有害なのかを考えなきゃいけない。まさに、
Daily Life:疑似科学と専門職倫理

害があるかどうかを批判が許容される条件に入れているが、それだと結局社会的影響について科学者が判断することになるのではないか

という話。


そこをすっ飛ばして煽っても仕方ない。というか、こういう発想で批判するのって、怖いことだと思う。