ニセ科学批判の内ゲバ

懐疑主義者のドライとウェットて、ようは外国のニセ科学批判の内ゲバだろう、これは。
http://222.146.204.251/~mame/doc/SKEP_FAQ/skep_0.html

ドライ:
そんな連中をまじめに相手にする理由はない。ちょっとした常識があればそのてのアイデアが完全に馬鹿げていることは分かる。「彼らのアイデアを理解する」ために時間を費やすことや、虚偽を暴くのに必要な程度以上に「彼らの証拠を調べる」ことは時間を浪費するが、人生は短いのだ。さらにそういう振る舞いは彼らに対面を与える。我々が真剣に取り扱ったら、他の人も同じ事をするだろう。我々は彼らのアイデアがどんな馬鹿なことか他の人が分かるようにそのアイデアを冷やかさなければならない。「抱腹絶倒一回は三段論法千回の価値がある。」 (H.L. Menckenの言葉、Martin Gardner が引用)


ウェット:
彼らの言うことに丁寧に耳を傾けないで攻撃すれば、二つの危険を侵すことになる。
1.本当に正しい人を見失ってしまう。歴史上このような例は多い。
2.彼らに我々を攻撃する武器を与えてしまう。人身攻撃や感情的な論理は我々を彼らと同じレベルに落としてしまう。我々が本当に理性的で科学的ならば、彼らに証拠を請求した後で良く考えた見解を述べることが要求される。


この両極端は Martin Gardner (ドライ) と Marcello Truzzi (ウェット) の両者により象徴されるであろう。この用語は特定の判断伴っているのではないことを注意する。この用語は手軽なラベルに過ぎない。

たぶん、あたしゃTruzzi(これ)の立場に近いんだろうけど、でも「ニセ懐疑主義」のこんな説明を読むとうんざりするわ。

http://wikisynergy.com/wiki/Pseudoskepticism
例示されてるのだと

A: Pigs can fly.

B: No they can't.

A: Oh yes? Prove it. Show me that no pig anywhere in the world right now is flying, and that none of them ever have or ever will.

B: No, the burden of proof is on you. Show me one flying pig.

Bはニセ懐疑主義で、本当の懐疑主義ならこう言わないかんとある。

A: Pigs can fly.

B: I do not know of any evidence of that.

A: Well, I heard about it

B: Well, when there is good documentation for it, I'll believe it.

そら言わんとすることは分かるけども、どんな豚もよう飛ばんぞ。Black Swanと違うんやから、一般には「豚は飛べません」ということに何の問題があるんか理解できん。


でも、“Forms of pseudoskepticism”の項をみると、そうやそうやと思ってしまう。


で、同じ内ゲバをドイツでもやっている。面倒なのでドイツのWikipediaをあげてすましてしまう。

Pseudowissenschaft – Wikipedia

Auch innerhalb der Skeptikerbewegung ist der Begriff “Pseudowissenschaft” umstritten. Der Soziologe Edgar Wunder, Grundungsmitglied der GWUP und zeitweiliger verantwortlicher Redaktionsleiter der von ihr herausgegebenen Zeitschrift “Skeptiker”, wendete sich scharf gegen Tendenzen einer “real existierenden 'Skeptiker'-Bewegung“.

ようは、ドイツの疑似科学批判団体GWUPの創立メンバーの一人だったEdgar Wunderという社会学者が、Truzziの線でGWUPを批判した。で、結局この団体を抜けて自分の団体を作った。サイトもある(これ)。GWUPが900人くらい会員がいるのに対して、GfAの会員は100人以上。ちなみに、Wunderはハイデルベルク大学の先生。1969年生まれで、去年の選挙ではDie Linkeから出馬してる筋金入りの左翼。ただ、GWUPが設立されたのが1987年だから、18歳で参加してなければならないのがちょっと変、無理ではないけど若すぎるような。


もっとも、この人が書いたエッセーは面白そうではある。面倒なのでちゃんと読んでない。かなりGWUPの悪口が書かれてそうなので、できればちまちま読んでやろうと思う。
Psychophysik.com


別のサイトでも、“Skeptiker”のやってることは、18・19世紀の「啓蒙」に無批判によりかかった科学主義的な世界観の産物で、単に彼らの世界観に合うか合わんかで判断しとるんだとバッサリ。
http://www.skeptizismus.de/



あたしがずっと日本のニセ科学批判に団体を作れと言ってるのは、そうすることで主張も責任もはっきりするからなんだが、この手の内ゲバも勝手にやってもらったほうが、なおのこと主張がはっきりするので結構だとは思っている。


それにしても、Maniaが深くないとここまで燃えあがれないよなあ。不思議だ。