なぜ僕はニセ科学批判に無茶苦茶言うか

やっぱりこれも書くべきか。 なんで僕がこういうことを書くか。
動機:Chromeplated Rat

僕が前から理解できなかったのは、なぜ過激なニセ科学批判の人たちをまともな人たちがきちんと批判して切り落とさないかという点だった。政治運動なら理解できたんだけど。


つまり、学問なのか、運動なのか。普通の人にはそこが全然わからない。だからいつまでたってもニセ科学批判は変だという声が絶えない。普通の人はニセ科学批判は学問の立場からやってると思うからね。


でも、ニセ科学批判って学問の立場からなされるものじゃないんですよね。学問のふりをしてるだけで。


前後の文脈抜きで引用しますけど。

危機感を共有できないのは結構。しかし、それならなぜ沈黙を守らないのか。
「そんなことは大事ではない」とことさらに言うことが、いったいどのような意味を持つか、考えられるとよいのではないでしょうか。
Posted by: きくち | 2007.09.06 at 01:23 AM
「ニセ科学」関連・本当の最終記事: 技術系サラリーマンの交差点

活動家が言ってるならまだ分かる。でも学者が言うことなのかね、これ。。。


普通の人は、学者さんがやってるから学問だろうと思う。そうすると、今のニセ科学批判ってのは本当に変に見える。魔女狩りだという人がいるのももっともな話。そう言われた時、学問の立場からニセ科学批判してるなら、「今騒いでいる奴はおかしくて、本当のニセ科学批判はああじゃありません」というのが当然だ。政治じゃないんだったら、そうやってきちんと区別して切り落としていかなきゃいかん。


でも実際はそうならないし。ニセ科学批判はおかしいとかなんか効果があったのかというと、頭からバカにして自己正当化するばかり。ホニャララ科学とヘニャララ科学の区別は云々するのに、仲間内の違いは大して重要じゃないらしい。


あとしつこいが、天羽先生の国籍法ネタはスルーってのも変だった。


これじゃ、結局、今のニセ科学批判って、ただの政治運動じゃないの。ネット右翼のこと、あまり言えないと思うね。


だいたい大御所先生は吹きまくるし、菊池先生は平和運動に期待してたみたいだし、天羽先生は立派なウヨクだし、右と左であれだけ政治的な人が一緒にニセ科学批判をやれるのが不思議だと思わない方がむしろ不思議。


というか、政治ネタは「ト」な人たちがトンデモ科学を批判するって実に奇妙だと思う。


そこで、そういう政治的な発想とニセ科学批判との間になにか共通性があるんだろうと考えるのって、そんなに変ですかね。だいたい、なんでそこまで危機感を持てるって、まずそこが変だ。なんで社会の「病理」なんて言葉まで使えるのか、まったく理解できない。ニセ科学なんて今に始まった話じゃないし、オウムにしろ何にしろ、危険なテロリストが非常な論理的な頭を持っているってなにも珍しいことじゃない。


でもこの妙な危機感が原動力になってるわけで。これってサヨクもウヨクもおんなじ。


問題は、そういう思考パターンになじみがある人がニセ科学批判を煽ってきたってこと。そこにニセ科学批判そのものがネット右翼化しやすい要素があるし、心情的な部分でむしろ陰謀論に近かったりする。


さらに、歴史修正主義との絡みで本式のサヨク流入して、ますますたちが悪くなった。学問論をぶって自己正当化するけど、実際は政治そのもの。得意中の得意ですからね。


ニセ科学批判がネットで広まるにつれ、まともな人もこれに参戦するようにはなった。元来のニセ科学批判の性格がどういうものか、理解されていたのかどうか知らないけどそれはそれでいいことで、「素朴に疑似科学を指摘して」いく人も多いんだと思う。が、ひょっとしたら、ひょっとしたら体よく利用されているだけなのかも知れんなあ。言いかた悪いけど。でも、まともな人については他の人々と切り分けて、僕は読んで応援しています。


だから、ネット右翼化したニセ科学批判を内側の人が大々的に切り捨てて、まともな人だけに残ってほしいと希望していたし、それは今でもそう。それがなにより、ニセ科学批判・疑似科学批判のためだもの。一般に受け入れられようと思うなら、学者ならあくまでも学者の立場を守るのが一番効果的な戦略のはず。


でも、それを踏み外してるから、あるいは踏み外した状況を結果的に黙認しているから、一般の人たちから批判されるんでしょ。実際、ネット右翼化がすすんでも、むしろこれを煽る人たちの方が目立つし。平和運動の応用でできる話じゃないはずなんだ。


何度も書くけど、危機感を共有しないなら黙れとか、被害者の不利益はどうすると正義の旗印をたてて踏み絵を踏ませるのは、危なすぎる。立場を変えたらどういうことになるか、どういう社会ができるのか、分かってんのかね。そんなこと言いだすほうがよっぽど「病理」だよ。恐ろしいよ。


これくらいのこと、本当はニセ科学批判の中のまともな人たちが外部の一般の人にも分かるように言って欲しかった。