「踏み絵」論法の危うさ

http://d.hatena.ne.jp/RPM/20090222/1235297346

例えそれが疑似科学シンパの利益になったとしても、

最近、サヨクが同じ理屈を使うのを他のテーマでも見たのだけど、疑似科学シンパの利益をむやみに潰そうとする姿勢こそ危険極まりないことにどうして気がつかないのだろう。立場を変えれば、この理屈で自分たちの存在だって危うくなるのに。「正義」をかかげて一見中立風な人に踏み絵を迫り「不正義の利益を守るのか」というやり方は、よほどのことでない限り好ましいものでない。で、ニセ科学がよほどのことかというと、よほどのことでない。

よく学校教育で水伝、とかいうけど、その対策は結局、地道な啓蒙活動しかないはずであるのに、ニセ科学批判の目的から明確に外されてしまっていて、この辺の過激ぶり、誇大妄想にあおられた焦りぶりについて行けと言われても、そりゃできません。

じゃあ被害にあう人はどうなるんだって、直接何かできればするかもしれない。しかし自分ができないことをさもできるかのように論ずるほうが、はるかに不誠実、偽善的で欺瞞だ。今の僕はせいぜい、たとえば「ホメオパシーはニセ科学ですね」という言葉に、そうですというくらいしかできない。

面白いね。すぐに敵か味方かに分けるんだもんね。中立っていう立場を許さないんだな。
kikulog

と、かつて菊池先生は書いたんだが、いったい誰がここまでぐちゃぐちゃにしちゃったんでしょうかね。ニセ科学批判を。現状、もうコントロールできなくなってますわね。

たぶん、同じニセ科学批判側に立ってくれると余計な人を入れすぎたんじゃないかと思うんだが。。。最初からそのつもりだったのか、いろんな人の意図が混ざった結果今のようなことをしているのか、よく分らない。

（追記）
池内先生を担いだ時点で、ニセ科学批判は終わってたんだろう。あの吹きぶりに疑問を抱く人はいたようだし、「疑似科学入門」のダメさにぐうの音も出ないという感じなのに、事実は池内先生が入っていた。擁護する向きもあるが、あんな無茶苦茶講演を黙って聞いてられるのもどうかと思う。大人の事情があるんだろうとはいえ、あれを黙って聞いていられる人たちがニセ科学批判をやってるわけで、ネット右翼化という意味ではここをどうしても突っつかざるを得ない。

しかし、なるほど、池内先生がリベラルだから「ニセ科学を退治する会」はできないわけだ。でも啓蒙活動で辛抱できなくなるほど過激化しているから、「被害を防止」を目的にするところがぎりぎりの線なんじゃないかな。菊池先生の「ニセ科学入門」の「ニセ科学」の定義がそれほど「有害性」は強調されてないが、Wikipediaの定義は「有害性」という言葉が出てくるところまで意味が変化しているのを見て、？と思ったけども。ああ、政治的党派の分裂を見る思いがするなあ。どこからどう派生してるかなんて、ウォッチャーは分かるんだろうが、部外者には理解不能の次元になってるんじゃないか。ま、とにかく「ニセ科学」の定義ひとつとってもずいぶん意味は変わっている。あるいは、過激派が主導権を握っているだけなのか。

どこまで意図的かわからないが、よくもここまで煽り、煽られたものだと思う。大御所の池内先生があそこまで吹く理由は分からないでもないが、あんなこというから歪んでしまった。科学者としての責任感は分かるけど。それとも、やっぱり池内先生が吹いたホラを利用するハラが、当事者たちの胸に最初からあったんだろうか。そうだそうだ、大先生よく言ってくれたと。そういうことなら、自然科学のふりして何やってんだってことになる。ニセ科学のことを言えるかという次元。そうではないことを希望するけれども。素人にはそんなことまで分かりっこないんだから、意図的にやってんならニセ科学より悪質だ、明らかに。

ホラを吹く人、聞かされる人、真に受ける人、利用する人。このこんがらがった紐を見て、それをほどこうと思う気合はもうこっちにはない。なんとなく想像はできるけども、いちいちそこまで読む気もない。ただ、うまく韜晦してるなあと思うだけ。さてそこからどこまでが意図的なのか。途中参入組の人たちがニセ科学批判をどう利用したのか。推察はするけど、もうそんなことまで手に負えん。

のせられた人たちが逃げたらいいんだろうけどねえ。