ああ、ニセ科学批判が過激思想だったなんて!

ニセ科学批判のネット右翼化は、最初から菊池誠先生の頭の中に用意されてたような気もします。


たとえば、菊池先生は権力筋に弱い。

マイナスイオン三人衆(山野井・菅原・堀口)についての言及もあり。彼らはとても研究者とはいえない連中なのに、どうしてあのような"マイナスイオン権威者"としての地位を築けたのか(菅原はNHK経営委員にまでなっています。そんなことだから、NHKは不祥事が続くのかもね)、誰かがきちんと検証しておくべきかもしれません。
kikulog

これ、嫉妬ですよね。トンデモの「くせに」って。言っときますけど、阪大の教授ですよ。まあ、これだけならまだいい。


江本勝が国連本部で演説したと聞いたときには、

万が一、公式なものなら、科学は負けつつあるということ?
あるいは、国連ってもともとそういう組織?
いずれにしても、放置しておくわけにはいかないと思う。
kikulog

この程度の話で、かりにも大阪大学の教授たろうものが「科学は負けつつあるのか」とぼやくんですよ。変だと思うの、僕だけ?変ですよね。んなもの、科学が負けるわけがない。


この誇大妄想というか脅迫観念にもうついていけない。ネット右翼化はこのあたりからすでに始まってる。


そして極めつけ。2006年に行われた物理学会年次大会のシンポジウム「『ニセ科学』とどう向き合っていくか?」(田崎・菊池・天羽の三先生が講演)でおこなわれた早稲田(当時)の池内了教授の「『ニセ科学』の社会的要因」の概要を読んで、共感できる人ってどれくらいいるんでしょうか。

それだけではなく、現代社会には非合理性(戦争、テロ、飢餓、核兵器、南北問題、環境問題など)が溢れ、非理性的・非合理的生き方(政治や官僚の腐敗、弱肉強食の企業社会、勝ち組と負け組の大きな格差など)が罷り通っているが、それに対して大人社会は声を挙げることもなく従順に従っている。社会に認知されている疑似科学(サイコセラピー、自己啓発セミナー、文部科学省の心の教育など)も大きな顔をして蔓延っている。大人達は現代の非合理になす術もなく流されているように見えるのだ。それに対して抗議をしようなんて誰も考えていない、そう若者達が考えるのも無理ないことと言えるかもしれない。

もう笑っていいですか。あんたはねらーかと言いたくなったよ。「ファシズムの温床になる危険性がある」とまで言うんです。もう物理学会でやる話じゃないよ。これは必読もののトンデモ文書じゃないか。あーはっはっはっ。笑いが止まらない。


池内了って立派な天文学者でしょ?大御所から一言ってことだろうけど、それにしてもよくまーこんな発表やるよね。参った。


で、この学会って小泉郵政解散の翌年の3月ですよ。雰囲気覚えてます?ファシズムって言葉が出てくる理由、分かるでしょう。(小泉政権時代とニセ科学批判の関係までは手に負えないので、誰かやって!)


この発表が訴えてる気持ちとニセ科学批判をやってる人が普段言ってることって、通じますよね。なんかやたら強迫観念もってるとか。危機意識の持ちようはほとんど一緒ですよ。


どう考えてもさ

科学を語る者、ニセ科学を批判する者は、たいていは(無論、馬鹿は必ずいるだろうけど)事実と価値の形式的な切り分けをしていますにゃ
ニセ科学でヒトは死ぬ - 地下生活者の手遊び

ですむ話だとは思えないんだよね。つまり、素人目には事実と価値が形式的に切り分けられてるけど、実際のところはそうじゃなくて、行動に反映するくらい価値観たっぷりだってこと。科学ってそういうところが本当は大事じゃないの?


だいたい、政治の腐敗だの企業社会だの格差だのという社会悪の解決のために、昔は君側の奸を切れとよく言ったんですよ。僕はこれを読んで、2・26事件の決起趣意書を思い出した。ニセ科学を唱える奴らを殺せと言わないだけ、教育が肝要だと吹くだけましで、理屈の運びはよく似ています。


でも「心ある科学者は、バカな奴が陥るバカな所業として放っておかず」ってんだから、吹きっぷりがすごいよね。


ええ。もうはっきり言いますよ。ニセ科学批判は、あの過激な青年将校たちと思考回路は一緒です。ネット右翼と絡めるなら、人権擁護法案反対運動や国籍法改正反対運動で、存在しそうにない巨大な「脅威」を据えて勝手にビビって極論をいい、反対運動をやってたのと同じ。ガチの政治右派がニセ科学批判やってる理由、これで分かりましたか。そういうことですよ。これじゃあ、ネット右翼化するのがむしろ当然です。


それくらい言ってることが過激だって、物理学の先生方は分からないんですかね。


薄々感じてはいたけど、ここまですごい本音を吐く先生がいるとは思わなかった。いや、参りました。池内先生、ありがとう。さすが大御所、大先生。おかげですっきりしました。


で、肝心の菊池先生だけど、週刊金曜日を創刊準備号から5,6年購読してたけど、「買ってはいけない」で購読やめたって、話ができ過ぎてやしませんか。心根が分かって面白すぎ。いや、本当に科学が好きな先生なんですね。皮肉抜きで、いい先生だ。僕は好きになりました。


でも、これ、一連の活動を意識的にやってるとしたら非常に巧妙で、ニセ科学よりたちが悪い。いや、より悪質です。素人には分かりっこないですもの。まあ、知らずにやってるだけだと信じたいですけどね。しかし、さすがにちょっとひどいんじゃないのかなあ。これは。要するに、ニセ科学批判を通じた体制改革・社会革命を志す過激思想(笑)なんだもの。ファッショの危険性をいうなら、ニセ科学批判の方がよほど危険だ。社会的有害性のあるニセ科学をどうのってもうナチズムかって、あーはっはっはっ。。。


とにかく、そういうこと。ニセ科学批判がネット右翼化する原因は、これだったんですね。胸のもやもやがようやく晴れた気分。久しぶりにネットで笑った感じです。あー、やれやれ、面白かった。