ネット○○派 part336 徒党が正誤を決めることの問題

ネット右翼には自分もなりかかったしちょっと手を貸したということもあって、そういう反省からネットの徒党について強く問題だと言い続けてるわけだけれども、一般にどうも大いに誤解されているらしいのはネット右翼の場合に誤情報・デマや差別意識、昂進したナショナリズムばかりがネタにされてるように思う。


確かにそれも問題で、しかも非常に分かりやすくて目立つ問題なんだけれども、はっきり言えば右翼だろうが左翼だろうが、個人がある政治的党派に染まるだけなら単に個人の問題で、ウソでもホントでも何を言ってもかまわないわけで、そういう話で済んでしまう。


ネット右翼が問題になったのはそこではなくて、彼らが徒党を組んで他人の言説を潰し始めた、その行動が主たる問題だったんだと僕は考えている。つまり、非常に偏った政治性に基づいて他人の発言を潰すことが問題なのではなく、他人の発言を潰してしまう行為それ自体に問題があったんだろう。


そう考えた場合、考えが偏っていようがまっとうだろうが、関係がなくなる。


主な問題は、ある言説を中心に徒党を組んで「我らこそ正義だ!」と叫びまわることにあって、何でネットだとそうなっちゃうの?という疑問が大事なんじゃないのか。

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僕が常々、「正しいからと言ってなんでも正当化できない」と言ってるのはそういう意味なので、「ホメオパシーには科学的根拠がない」というのは正しいけれども、だからといってホメオパシー叩きやニセ科学批判を是認できるかというとそうはならないだろうと。


リフレ派だって同じなんで、リフレ論そのものにはそれなりの妥当性があるんだろうと思うけれども、だからリフレ派を是認できるかというとそうはならない。

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先にも書いたように、ネットの情報の信頼性正確性を最終的に担保するものがなかなかないなかで、「正しい」ポジションをとって徒党を組んで正義を吠えて「それが正しいんだ(ろう)」という空気を醸成することで押し切ってるんだね、結局。


結果的に声の大きさや「仲間」とかがその「正しさ」を担保しているだけになっている。「線引き」の恣意性やいい加減さもこのへんと絡むんでしょう。

誤情報やデマの問題というよりも、そういう問題なんだという認識が、大事なんじゃないのかなと僕は思う。