ネット○○派 part303 今必要なのはニセ科学批判でなくて・・・ 

このTweetに尽きてますわ。
https://twitter.com/#!/ginco_silver/status/110537197945499652

エセ科学が人心を掴むのは本来の科学が説明下手で伝えてこなかった面もある。いまの状態はまさにそうだよね。原子力についても放射線についても。理解しないほうが悪い決め付ける前に、確信を欲する感情を抑えて科学的な考え方を優先するような教育を進めることはできたはずだよ

その通りです。
https://twitter.com/#!/ginco_silver/status/110538295632592897

不安だから確認(注:確信の誤り)が欲しいという心情を理解したうえで、科学者がどう説明するか。特定を批判する意図はないですが、私が信用ならないなと警戒している専門家達は「確信を欲してる」民衆の心情に上手く応えている。

そのへんはニセ科学批判も常々言っていることで、科学は常に断定できないし、確信を与えることはできない。。。だから、不安がってる人たちにまともにぶつかったところで、まあ、どうしようもない。不安がってる人たちを安心させることは原理的に無理なんだから。

https://twitter.com/#!/ginco_silver/status/110539843506937856

いま頑張って説明している先生方も、エセ批判に注力しすぎず、科学的思考とそれによって今反証済みの結果を、地道に発信していくしかないように思う。

「地道に」というのが多分ポイントです。

付け足すことは何もないんだけど、改めて繰り返しておきたいことは、ニセ科学批判と他のものと、きちんと仕分けしてくれと。


懐疑主義をやりたい人が今のニセ科学批判に合流すると混乱します

ゲーム脳を叩いて任天堂DSは叩かない、ホメオパシーは叩いて漢方や鍼を是認するようなことは、懐疑主義の立場をとるなら認められないはずです。


単に懐疑主義をやりたい人は、頼むからニセ科学批判に合流しないでください。ニセ科学批判と懐疑主義は全く無関係です。


・科学的誤りを指摘したい人は今のニセ科学批判に合流すると混乱します

単に「科学的誤りを指摘したい人」あるいは単に「科学的判断を尊重したい人」でも同じ。善意のつもりでニセ科学批判を支持するのは、やめた方が賢明です。というのも、ニセ科学批判は、単に科学的誤りを指摘したいわけでも、科学的判断を尊重したいわけでもないので。


本当に誤りを指摘するだの科学的判断を尊重するとかが中心なら、鍼はプラセボだとして退けるのが当然で、また漢方は、ホメオパシーに対して二重盲検法をやれと主張しているのと同様に、しかるべき手順で効果や副作用が確かめられたもの以外は使用を認められないと主張するべきであって、ニセ科学批判は鍼や漢方に対してそういう主張をしてこなかった。(ただの砂糖玉のレメディと違って漢方には何かがとにかく入ってるからいいとか言ってた人もいたね、そういえば。どこが科学的なんだと)


血液型性格判断と「差別」の問題を混ぜて自己正当化するのも同じ問題があって、血液型性格判断に科学的根拠がないということは言えるかもしれないが、自然科学者があるものが差別だからよくないと科学的判断と合わせて主張して自己正当化を図るのは越境です。


単に科学的誤りを指摘したい人や科学的判断を尊重したい人はニセ科学批判に合流しないでください。混乱します。


 ・ニセ科学批判の尻馬に乗る「その他大勢」「雑魚」「素人」だけが悪いのではありません

彼らを今まで黙認してきた先生がた、また体のいい自己正当化の建前を与えてきた先生がたに一番の責任があるんであって、「雑魚」だけの問題にはできません。


また、「先生」や「有名人」たちへの安易な信頼が問題です。


・真面目に憂える方は、ただ「地道に」情報発信だけしてください 

誤解されても困るし、また何回か書いているつもりだけど、たとえば菊池先生でも(毎度例に出して恐縮だけど)、物理学者としての側面とニセ科学批判の第一人者としての側面と僕の中では分けています。


でもおそらく、実際にはそうやって切り分けて考える人は多くないだろうし、ニセ科学批判ってそこを切り分けるのがやりにくいようにまた理屈ができてる。だから、釣られる人も多いし、ころっと騙される。たぶん、ご当人がたも、そこが切り分けられてないんじゃないかな。


真面目に憂える方々は、ニセ科学批判には乗らずに、ただ「地道に」情報発信だけしたほうがいい。


今必要なのは、オーソドックスな科学や科学者に対する信頼を確保することであったり、そのための「地道な」教育であって、ニセ科学批判のように適当な対象を選んで叩く、といった活動では決してないはずです。


むしろ、ニセ科学批判のような活動そのものが、オーソドックスな科学や科学者に対する信頼を毀損しかねないんだということに、もうそろそろいい加減気付いてほしいものだと思います。