ネット○○派 part235 ネットで問題なのはデマよりも・・・
荻上式BLOG
ま、ネットではデマはよくないとは、非常によく言われることだし、そのとおりではあるんですが。難しい問題があると思うんです。
たとえば、ニセ科学批判なんかの場合、デマどころか明らかな科学的誤りを正そうとして、ああいうふうにネットウヨクと変わらなくなってしまうわけでしょう?
今の「条例規制改正反対派」ヲチがダメというつもりはないが、あんまりやりすぎると危ないよと書いたのも(これ)、ま、同じですよね。
「自分たちは正しい」とすることで、間違ったものを叩くことに、疑問を感じない、逆にその正当性を旗印にして人を集めてしまうことの危うさってのがあると思うんですよ。
ただ、デマを正すなとか、ニセ科学批判のように科学的誤りを正すなと言いたいのではなくてね。。。ネットにおけるデマそのものの問題は否定しないにしても、本当に問題なのってそこじゃないんだと思う。
ネットで問題なのは、徒党を組んで正義の集団になったうえで他人の言っていることを叩くこと。これで他人の発言の機会を根本的に奪うことになってしまう。
いま、池田信夫先生が盛んに叩かれているけれど、まあ、あの先生はああいうキャラだし、叩かれても屁とも思わないだろうからかまわんけども、普通の人がやられると本当にたまったものではない、かなわんものがあるんです。この辺は経験者でないと分からないところかもしれない。
ネット右翼が以前問題になったのも、言説そのものがおかしいからではなくて、炎上を起こして左よりっぽい人たちをブログを閉鎖させるくらいまで叩いてたから、だから問題になった。変なことをいうだけなら別に特段の問題はないし、議論したけりゃすればいいわけで。
こういうことを書くと、態度が悪いだけだろとか言い出すんだけれども、実際のところはそれほどまで「自分たちは正しい」と確信を持っている集団が信じている言説におかしいところがないはずがなく、事実いろいろおかしいところが見受けられるのです。
で、チキさんってネットの炎上にもともと批判的な人で、こういうことが分からないはずがない。今やっておられるような「ネットのデマを指摘する」ことが「いいこと」「正しいこと」だと思っておられるんでしょうが、本当に大事なのはそこじゃないだろってことです。
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後は蛇足になるが、いやあ、みんなの党と社民党の二股がけをやってる人がデマの指摘ってもうそれだけでお笑いなんだよな。チキさんを信用できるってね、あの人のポジション取りとか文体、最近だとラジオ聞いてても語り口とか、そういうので騙されてるでしょ。ご当人に騙すつもりはないでしょうが。
ニセ科学批判も同じところがあって、菊池先生のキャラで持ってる。あの文体とね。その割りに言ってることはえげつなかったり、「優先順位問題」みたいな屁理屈かましたり、普通に都合の悪いことはダブスタだし、東京都条例改正で「軍国主義」と言ってみたりするわけで、これが池信先生だったら確実に叩かれています。池信先生と何が違うかというと、単にキャラ。あと、まあ、菊池先生は間違いなく阪大の物理学の先生だ。
何を言いたいかというと、結局あれでしょ、みんなちゃんと読んでないんだね。文体とか空気とかで、都合のいいほうにのっかってるだけ。で、「自分たちは正しい」とやる。いやだから、それが危ういんだって。デマなんかよりもずっと危ういよ。