これ、ちょっと、、、

青少年健全育成条例改正にいち早く反対したマスコミ人に緊急インタビュー角川書店社長 井上伸一郎「マンガとアニメへの職業差別を許すわけにはいかない」(FORZA STYLE) | 現代ビジネス | 講談社(1/3)
条例改正の何が問題か具体的な指摘がまったくない、というか、ネットで語られている以上のものがないんだが、それはいいとして次の部分は大出版社の社長のご認識として問題じゃないかと思いましたな。
青少年健全育成条例改正にいち早く反対したマスコミ人に緊急インタビュー角川書店社長 井上伸一郎「マンガとアニメへの職業差別を許すわけにはいかない」(FORZA STYLE) | 現代ビジネス | 講談社(3/3)

日本のマンガやアニメは、カワイイ少女を愛でる「萌え」や「BL(ボーイズラブ)」など嗜好が細分化しました。欧米やアジア諸国では、この10年の間にこうした楽しみ方への理解が深まり巨大なマーケットが確立しています。日本のマンガ・アニメは、今や世界的スタンダードです。そうした日本文化の価値を、世界のほうが逆に日本の為政者に教えるという皮肉な展開になるかもしれませんね。

たしかに日本のマンガアニメが、異国の若い人たちに広く受容されて、かつての「めがね・出っ歯・愛想笑い」の日本人のイメージを変えてくれて、すごくよいイメージになった部分があるのはそうなんだな。ある意味、感謝してますよ。


たださ。「巨大なマーケットが確立している」は、まあともかく、「世界的スタンダード」ってどうなのよ。じゃ、なに。世界中のマンガが日本のマンガの様式を真似るまでになってますか?ってなってないんじゃないの。何の根拠があって日本のマンガ・アニメが世界的スタンダードだと言い切れるのか。


それに、規制以前にゾーニングの点で日本が他国以上にゆるゆるなのが現実で、、、とか書くと、キオスクで空港で簡単に買えるとかいうんだけど、水着のお姉ちゃんのDVDからなにからコンビニにおいてあって手軽に買える、みたいな日本の感覚はかなりゆるい。もちろん、だから他国のまねをしろという話に一直線にはならないけれど、でも日本の感覚はゆるいんだという自覚はあったほうがいい。


さらにさらに、マンガ・アニメ程度で「日本文化の価値」と言われるとすごくがっくりするわけで、マンガを鵜呑みにして日本を理解してあらぬ誤解をする人も普通にいるなかで、作り物を楽しむだけならまだしも文化の価値と言われるとえーっていうことになりますよ。


井上社長が語るような認識を日本のオタク・マンガ好きたちの間で共有されているとしたら、そりゃちょっとどうかと思います。思ってるほど、日本のマンガやアニメは大事じゃないです。異国のオタクたちは否定するでしょうけれどもね。


簡単に言うと、マンガにしろアニメにしろ、日本文化だなんだといってご大層に自慢するものじゃないと思います。そこんとこ、あんまり過剰に見積もると、誤る。