スタンスを変えたのかな

久保田・デバンカー・裕の論座のエッセーなんだが。。。
ホメオパシー論争、改めて整理しよう - 久保田裕|WEBRONZA - 朝日新聞社の言論サイト

 当該の記事では、「自己責任で服用する人は急激に減らない気がする」とむすんでいるが、この「自己責任で服用する人」という表現が気になる。これは、自己責任で服用するのだから、後で何が起ころうとそれはその人の責任という意味なのだろうか?

 だが、自己責任を問えるというのは、その判断すべき事項に対して正確で十分な知識を、判断する個人の側がちゃんと持っている、ことが前提条件としてあるべきだろう。

自己責任を問うてるかどうかはしらんが、ホメオパシーになんでも頼るのではなくて利用する側が賢くあるべきだ、というイタリアの新聞記者の意見は僕は常々出している。だいたい、いくらホメオパシーが根付いているからと言って、なんにでも効くと信じている人は欧州でもそんなにいないと思う。
http://d.hatena.ne.jp/jura03/20100307/p1
戻して。

 例えば山口で起きた訴訟で、乳児を亡くしてしまった母親は、ビタミンK2が乳児にとっていかに大切なものであり、レメディーはビタミンK2のシロップの代用にはならないものだ、ということを、ちゃんと理解した上で、あえてビタミンK2を拒んだとでもいうのだろうか? もしちゃんと理解していたら、拒むということ自体がありないと思うのだが。

ありうるよ。できるだけ「自然なお産」をしたいと思った妊婦さんがいる場合、安全性を考えたら普通の産婦人科にかかるのが当たり前のはずが、そういう選択をしないこともあると、それが人間だもの。人間ってそういう生き物なんじゃないの。


それより問題はこれ。読みようによっては久保田・デバンカー・裕は大変にずるい。

 また、ホメオパシーに関して勉強しようと思って本屋に行っても、日本にはホメオパシー賛美の肯定派の本しかない。こういった、いわゆる偏った情報しか手に入らない日本の現状で、「自己責任論」でホメオパシーの導入を安易に行うことには大変に問題がある、と考えている。

ネットで散々批判されてるじゃないか、というのはともかくとして、ヒロシは最初なんて言ってたか。
じゃ、おたくら久保田裕の意見についてどう思うとるんだ - 今日の雑談

個人的には、日本に10以上あるというホメオパシー関連団体が集合して、日本のホメオパシー状況に責任を持つ業界の協議団体をまずは結成すべきだと思う。外部から文句を言われる前に、自ら律するというのが順序というものだろう。そして行政側も代替医療監督官庁を決めて、二度と再び同じような問題を起こさせないために、もっと積極的な監視と指導に乗り出す必要があるだろう。

 協議団体結成などというと、「お前は、ホメオパシーなどという非科学的医療をそもそも認めるのか」などと言い出す「科学原理主義」な人もいるかと思う。だがそれは、新興宗教が、そこの説く神様が実在しようとしまいと、都道府県知事に法人格の届け出をして監督されるのと同じことだと思っている。

当たり前のことを言っていた。もっとも、「『自己責任論』でホメオパシーの導入を安易に行うのは問題がある」だから、別に主張の明確な矛盾はありません。でも、どうもスタンスを変えたというか、強調するところを変えた感じがどうもしますな。