ホメオパシー叩くなら漢方も叩くのが筋だと思う

はてなブックマーク - 「現在の科学ではまだ解明されてない」からいいの? - 今日の雑談

chintaro3 保険適用される漢方薬は既に薬効成分が科学的に特定されているものが多いはずだけど。まぁ、変なのもあるだろうね。

そのへん、どうも話が微妙みたいで、一つは実際のところ漢方薬の保険適用はいったん外したいというのがお国の意向でかなり以前から懸案事項らしいということは前にも書いた。まあ、確かにそのほうがすっきりする。で、確かなものだけ保険を適用すればいいという主張のほうが、筋は通っている。


ホメオパシーの砂糖玉と違って、何かが入ってるなら何かが起こってもおかしくはないんだから、たとえば日本東洋医学会のこういう報告はあるけれど、、、
漢方薬エビデンスレポート2010

実際のところ、その筋の専門家の世界ではこういう話になってるそうな。
第2回会合 「科学的根拠の現状と課題(エビデンスの創出のために)」概要 « 漢方・鍼灸を活用した日本型医療創生のため調査研究

(2)もっとも、漢方・鍼灸といった伝統医療は、(a)患者一人ひとりに即した個別化治療を柱とする、(b)検査値などの客観的指標では評価しにくい患者の主観を重視する、(c)「証」を元にして治療方法を決定する、といった特徴を有することから、西洋医学におけるエビデンスの示し方として最も一般的な手法である「無作為比較試験(RCT)」を行うのは向いていない。

分かるんだけど、それを言っちゃあおしまいよ、みたいな。


ようは、ニセ科学批判派の人たちが「本当に効果があるなら、証拠出せ」みたいな言い方でホメオパシーを叩くなら、漢方も叩かないとダブスタになっちゃうのに、「漢方とホメオパシーと一緒にするな」とケロッと言っちゃうのがすごくおかしいんだ。助産師のホメオパシーが問題なら、産婦人科医が処方する漢方薬は問題でないのか、とか。産婦人科って漢方薬を使う機会が比較的多いそうなんですが。


あと、やっぱり副作用の問題がどうしても残って、「この漢方薬は私の体に合わない」「処方する医師薬剤師に漢方の知識がない」の類の議論にしていいのかどうか(そのわりに、なんとなく漢方薬は副作用が少ないと普通は思ってる)。一方で、ただの砂糖玉に副作用はない。


そこで仕方がないので、「ホメオパシーは反科学・反社会的」だというなら、鍼の先生もそういうことを言う人いるし、漢方も「化学的に合成されたものとは違って、生薬を使い・・・」みたいな説明をするんだから。ようは、ホメオパシー側も鍼や漢方なみに穏やかになってくれという話にしかならない。


ところが、そうなると懐疑主義者の論や擬似科学批判の論としては成立しないので、「漢方や鍼はともかく、ホメオパシーは許せない」の日本流ニセ科学批判を持ち出さざるをえなくなる。そういう問題。


でも不思議だわあ。ネットを見てると、ホメオパシーを問題視しながら漢方を処方する人とか、本当にいるみたいだもの。