ネット○○派 part49 ニセ科学批判派の危うさ(1)

ニセ科学批判も建前どおりなら、たぶん何の問題もないはずなのに、集団になってこういう状態になると危険になる。そういうことはネット○○派ではよくあることだし、特徴でもある。


僕は、今までネット右翼やはてサを見てきた。ネット右翼には説得もした。何人かは考えを多少は変えてくれたものと思っている。まあ、ああいう人たちと会話をするのは大変というか、会話することそのものがストレスフルなんだけれども、あまり「危ない」という印象は持っていない。実数が少ないし、どうせネットで暴れてるだけだったので、リアルへの影響など高が知れてると思ったからだ。在特会の活動も、ああやって暴れてしまうともうダメだし。


こういうネット○○派に共通するのは、ネットで語られるある言説をそのまま信じて集団を作ることにある。集団になっていると、信じられている言説がどんどんエスカレートして、自己正当化に歯止めがかからなくなってそのまま発狂して、という現象は別に珍しいことではない。


ニセ科学批判も基本的に同じことをやっている。菊池先生や天羽先生やネットの有名人の言うことをそのまま信じるし、正当化もがんばってする。ニセ科学批判に異論を呈するとはてブで叩く、コメント欄に突撃する、そして議論にならない議論をして相手を負かそうとする。ネット右翼とやってることが全く同じ。


今のホメオパシー祭りもその延長線上にあるものとしてみるべきだと思っているが、もうニセ科学批判は危ないと言わざるを得ないのではないか、という印象を率直に持つように僕はなってしまった。ネット右翼よりもたちが悪い。たしかに実数はそんなにないし、ネットで暴れてるだけだから、そんな心配することはないかもしれない。が、ニセ科学批判の場合、ニセ科学のような「間違い」とは違って、ちゃんとした大学教授や医者が専門家の見地から、おおよそごもっともな「正しい」ことを言っている。しかもそれがゆえに普通の人にはこの危うさに気づきにくい。現に新聞記者まで釣られている。これが、ネット右翼よりずっと問題のあるところだと言わざるを得ないゆえんなのである。(続く)