ネット○○派 part12 bewaadさんはなぜ「死んだ」んだろう?

田中先生は、もともと心根は優しい人なのは分かるし、以前ブログをよく読んでいてなんであそこまでリフレにこだわるのか大体想像がついたので、やたら噛み付きたがる理由もなんとなく分かる気がしている。


だからというわけじゃないけど、これって「変な学者のせいで、良質なブログがつぶされた」って話にしちゃいけないと思うんだな。


だいたい変でしょう?bewaadさんにとってこの程度の罵倒はザラだというか、きっとリアルのほうがもっときついに決まってるし、人権擁護法案反対運動のときにはあれだけ丁寧かつ根気強く反論し続けた人だ。


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リフレが正しいとかどうとかは、ほかの人がちゃんと論じてるから僕はかかわらないけれど、素人ながらいろいろ読んだ時期がありまして。で、それなりに自分なりの疑問も持ちました。まあ、田中先生が勝間和代を持ち上げたときはさすがに開いた口がふさがらなかったけど、それはまだよろしい。


素人の素朴な疑問として結局よく分からないことのひとつが、じゃなんで優秀な人間がたくさんいるはずの日銀がああなんだという説明。これが、ないとは言わないが、いまいちハッキリしない。クルーグマンによれば、、、とかは少しあっても。でも、そこを論じないとダメで、とても大事なところだと思うのに、僕が興味を持っていた時期、まともな説明は聞かなかった。今はあるのかな。


そこで「日銀理論」とラベリングするのはいいでしょう。でも、「平成の鬼平一派が」と言われると、そりゃ「はぁ?」となりますわな。挙句に「財務官僚が」とか「日銀貴族が」と言い出すにいたっては、つまり、素人の疑問に対する答えがないから、この手の陰謀論に走るしかなくなってるんだということがよく分かるわけ。(だから、僕の疑問に対する答えはまだないんだと思う)


言いかえると、理屈がどっかゆがんでるから、説得しきれない部分があるから、最後は陰謀論に逃げて説明するしかなくなっちゃう。もちろん人によって程度の差はあるけど、リフレ派ってどうもこのところがね。。。


二つ目は、リフレ派の先生がたの意見は分かった。でも、ほかの先生たちの意見はどうなの?となると、リフレ派って明らかに少数派でしょう?こうなると素人としては、どちらも素直に読んで、自分なりに咀嚼しておくしかない。どっちが正しい正しくないの問題にできないので。それは専門家の先生がたがちゃんとやっておいてくれっ!


で。。。実はこういう素人の素朴な疑問感想と同じことをbewaadさんは、この半年くらいか、もっとだな、ずっと言ってたんですよね。陰謀論に頼るなってのと、学界で意見をまとめてくれないと役人は動けないから、学者は学者の仕事をしてくれって。はたから眺めてて、言いたいことはよく分かりましたよ。bewaadさんクラスの人が言ってるので、あ、やっぱりそうなんだなとも思った。


ところが、現実の「リフレ派」の反応はというと、bewaadさんにとってかなり不満足なものだったんじゃないでしょうか。むしろ「変節」とまで言われてね。「リフレ派の足を引っ張るようなことをする」みたいな反応で、現にそういうことを言う人もいる。足を引っ張ってんじゃない、むしろ逆なのに、党派の発想に縛られてるから、書き手の意図がまるで理解できてない。ようはネット○○派の問題がもろに出た。このコミュニケーションのできなさ、党派思考にあきれ返って絶望したはずだと思う。


なにより、これまでと違って今の日本はもう後がないところまできているので、「この期に及んでまだこれか」とそれだけ絶望も深かったんじゃないですか。


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思い返せばbewaadさんは、人権擁護法案反対運動に対する対論で詳細に法律解釈をネット上でしてみせて、素人にも分かりやすく語ってくれた。ある意味、法律はこうやって読むものなんですよということを実務家として素人相手にタダで教えてくれていたわけだ。今でも、○○法反対運動に興味をもった人は、あの人権擁護法案シリーズにまず一通り目を通しておいて損はしないと思う。


肝心の経済ネタ・リフレネタで絶対に見落とせないのはbewaad・馬車馬両氏による激論篇。これは古いものだけど、ネットで長期間にわたって実りのある議論ができたまれな例ではないのかな。たぶん、リフレに賛成反対いずれにせよ、あの議論を読むべきだ。。。というか、とても勉強になりました。


そのほかのネタでも、好きでよく読みました。最後にリフレについて集大成を書いて終わるということだから、それを楽しみにします。


今度、bewaadさんが出てくるのはいつでしょうかね。日本が焼け野原になったあと、でなければいいんだけどなあ。。。