普通に考えたらそういう理解になる・・・早川由紀夫先生の場合

早川先生、うちのブログ読んでるんじゃないかな。というのも、日本のニセ科学批判におけるニセ科学(の対象)と、海外の疑似科学批判における疑似科学(の対象)の差を、Twitterで触れてたから。読んでらっしゃるのかな。まあいいや。


Twitterを見たらこの展開は、面白かった。サブリミナル効果について、ネタを投下した早川先生だが。。。
http://twitter.com/HayakawaYukio/status/17073015792

では、他のニセ科学を批判することに熱心な人がだれひとりこれを批判しないのはなぜでしょう?RT @psychokinetica: ニセ科学である事が確実ならそうだと思います。て言うか広告としても無意味ですし

仮にサブリミナル効果ニセ科学だとして、ま、こういう理屈になるのは当然です。別にサブリミナル効果でなくても、ニセ科学に相当するものならここは何でもいいわけだ。


そこで菊池先生は「優先順位問題」という詭弁をひねり出したことは、ずっと前に書いた。「Aを批判するなら、なんでより重大なBという問題を取り上げないのか」という質問は愚問だ。Aも大事だしBも大事。ただ、使えるエネルギーにも時間にも限界があるんだから、何を取り上げるかは個人の自由だというわけ。


したがって、今頃こんなことを言い出す早川先生をニセ科学批判の人たちは「周回遅れ」と言ってバカにするだろうが、そうもいかないのは、この理屈がただの詭弁だからだ。「なぜAを批判してBを批判しないのか」という疑問に対しては、批判対象としてAを選択した理由、Bを選択しなかった理由を語らねばならないのに、「優先順位問題」では何も答えたことになっていない。
「優先順位問題」は最大の弱点 - 今日の雑談
はてなと増田と知的コンプレックス - 今日の雑談


ここで早川先生の理解は、普通に考えたらそうなりますわなという方向に進む。繰り返すが、「サブリミナル効果」でなくても、ニセ科学に相当するものならここは何でもいいんだよ。
http://twitter.com/HayakawaYukio/status/17073177940

主張の内容ではなく、主張の取り扱い方(詐欺や差別)に彼らの動機があるからだとすれば、サブリミナルを批判しない理由が説明つきます。

http://twitter.com/HayakawaYukio/status/17078890177

ニセ科学批判のひとたちがサブリミナル規制を批判しない事実は、彼らの批判対象が、実は「科学を装うが科学でないもの」ではないことを示す反証になると考えました。もしそうなら、サブリミナル規制も批判してしかるべきです。

http://twitter.com/HayakawaYukio/status/17078930994

彼らの批判対象は、詐欺や差別です。それを科学かそうでないかの議論としてやるからおかしなことになる。

ここでニセ科学批判がニセ科学になるの図の完成。大学教授の肩書を持つ人や医師免許を持つ人たちが、社会問題・消費者問題を科学の問題にすり替え(あるいは二股をかけて)煽ってるだけだということが明白になる。


そこで、外国の疑似科学批判だったら、宗教批判や合理主義信仰に足場があるから、だからまだ成り立ちうるんですよ。たとえばモラルと宗教の問題なんていまでも重要な問題だから、欧米の疑似科学批判も気持ちは分かるというか、意味を持つことはあるかもしれない。


ところが日本の場合、そこから逃げるので、この時点で理屈が崩壊してる。しかたがないから、社会問題で自己正当化を図るしかなくなる。そのくせ、外国の疑似科学批判との違いについては自覚的ではない。だから、軽々しく「ガードナーは、、、」とか言い出す。


ニセ科学批判を救うとしたら道はあるのでね。以前から言ってるように、団体を作る、そして合理主義信仰と宗教批判を明確化する。これをやらない限り、ニセ科学批判のニセ科学化はどうにもならないよ。