雑感

こういうのを見たので備忘がわりに書いておこうと思う。
https://twitter.com/bn2islander/status/456932063858282496

一般社会関係ないはずなのに、科学界と一般社会の間でプロレスはじめてしまうのであれば、それは科学コミュニティが一般社会に責任を転嫁してしまっていると言う事ではないのかな

https://twitter.com/bn2islander/status/456932539945320448

小保方さんや笹井さん、若山さんに本当に問題行為があったのであれば科学界内のポジション変更したり研究費の調整を行うべきだし、それは科学者の論理で対処可能だと思うんですけどね

たぶん、あれだけの宣伝を一般にしていなければ、こんな問題にならなかったはずで、普通にサイエンス・サイエンティストの論理で対処すればよかったんだろうと思う。

ただ、あれだけの大宣伝をして、一般には若い女性研究者(本当は研究者でもなんでもなかったわけだが)が大変な業績をあげたと認識されてしまい、引くに引けなくなってしまった、あるいは引き方が相当に難しい事態になってしまった。

さらに、これだけの大失態は追求し始めるとサイエンス・サイエンティストの世界の秩序や慣習そのものの問題にならざるをえず、当然のことながら日本にとどまる問題でないし、とどまっているわけもないし、またとどまらせるべきでもない。「こんなの、皆やってることだよ」「アホの責任をオレが取れと言われてもたまったもんじゃない」というのが多くのサイエンティストの本音であるとして、それは真理探究の姿勢としてどうなんだろうか。そういう姿勢で、どうやって物事を確かに知るということができるのか。知識の確実性はどうやって担保されるのか。大きな疑問符をつけざるをえない。

それでも、一般に大宣伝をしていなければ静かに対処できたかもしれないけれども、結果的には世間に大声で恥を呼ばわっていたようなものであって、こうなってみるとトカゲのしっぽきりで済まそうにもそれは非常に難しい話であると。

そこに、「科学界と一般社会の間」の「プロレス」が発生した理由があるんだろうと思う。

そして、再三書いている通り、サイエンティストたちは一般社会とプロレスを始めるとおそらく負ける。このブログでずっと書いてきたニセ科学批判に対する疑問から浮かび上がってくることは、サイエンス・サイエンティストの側が一般社会について全く無理解であって、そのためにディスコミュニケーションが生じており、うまくコミュニケーションを図ることができなくなっている。ニセ科学批判の問題の根っこ(の一つ)はおそらくこれであって、今回のように「科学界と一般社会の間」の「プロレス」が発生してしまうと、サイエンス・サイエンティストの側はどうにもできなくなるだろうという悲観的な見方しか、わたしにはできないのである。