「オピニオン・リーダー」たちの無責任 part30

池田信夫 blog : 橋下市長の「撤退する勇気」

このとき私は「橋下さんはもうわかっていて、落とし所をさぐってるんだな」と思ったが、関西広域連合で強硬論が勢いづいたため、引っ込みがつかなくなったのだろう。

その責任、誰にあると思います?

「安全と危険のどっちがいいか」と問われたら、危険がいいという人はいない。知事がこういう建て前論を主張したら誰も反対できないから、ずるずると「空気」が醸成されて、みんながおかしいなと思いながら無謀な作戦が実行される――という悲劇は日本軍で数知れず繰り返された。

このような悲劇を避けるには、「今まで反対してきたのだから引っ込みがつかない」とか「みんなが言ってるんだから自分だけ違うことはできない」といった感情論を排して結果志向で考え、客観的に勝算がないときは撤退するしかない。そんなことはわかりきっているが、日本の政治家にも企業にもその勇気がない。その点で「君子豹変」した橋下氏は立派だと思う。

もうアホかとしか言いようがないわけで、そもそもこんなことは誉めることじゃないだろう?最低の選択を避けましたというだけで、「立派だ」とか誉めるこっちゃない。何を感心してんだ。


本来ならば、橋下以下関西広域連合の諸府県知事たちは、福井県に頭を下げて、電気がどうしても必要ですから、お願いですから原子力発電所を動かして下さい、と言わなければならないところだった。


ところが、世間の空気を煽って、無駄に遠回りした最大の元凶の一人が橋下だと言って構わない。


最初から無理なことを言って、煽りに煽って、ギリギリになって兵をひっこめたことを「立派だ」と言って褒める必要も必然もない。むしろ責任を徹底的に追及するべきだ。橋下はそれだけのことを言ってきたし、やってもきた。


もちろん、対応が遅れている政府への批判も分かる。。。けれど、そこで無理に原発を再稼働させていれば、橋下・維新の会が非現実的な主張と根拠に基づいて政府を批判し続けて人気を得るという、最悪の構図ができあがりかねなかった。


そう思うので、政府の都合もちょっとは同情してやれるところがあるんじゃないかと個人的には思っている。けれど、橋下やその他の知事に同情できるところはほとんどない。

・・・

原発の問題に限ったものではないけれど、今の日本はこの種の無駄な遠回りが多すぎる。遠回りは、あるいは必要悪な面もあるかもしれないが、その限界を超えてる。


世論の空気に依存して、危ない遊びをやるのはやめて、もっと真面目にやってもらいたい。

追記
橋下のような無責任極まりない人物を「立派だ」と誉める池田信夫の無責任ぶりがまた問題なんでね。
https://twitter.com/HALTANHALTAN/status/208995874590826497

↓結局、「右」も「左」もふざけ過ぎなんだよ。それは(ネット)リフレ派だって同じ。大衆向けのTV番組とかバカにしてる割にはたまに「リフレ派」有名人がTVに出るとキャッキャッ騒いで、、、普段は批判してるTV政治ショーに余りに簡単に取り込まれてしまうんだ(嘆)

・・・ってこと。


ネタはリフレでも原発でもなんでも、無責任にすぎるんだよ。仮にもインテリだ知識人だと言える人間どもがさ。