ネット○○派 part270 笑えない話

これね、笑える話じゃないんだと思うんですよ。

重要情報w @shinichiroinaba こないだ初めてなんでもガンダムにたとえる大人にリアルで会った。若田部さんだった。

https://twitter.com/iida_yasuyuki/status/90419133983891456

以前にも、マンガ・アニメにドはまりしたオタクの頭の中がどうなっているのか、それが結構問題かもしれないと書いたんだけど、適宜引用してみましょうか。
ネット○○派 part145 フィクションでリアルを見ることの愚 - 今日の雑談

最初、シャレで「オタク脳の恐怖」という題にしようかと思ったが、毒が強すぎるのでやめにした。

ヒステリックに反応する場合、たぶん、フィクションやファンタジーでリアルを見ることに違和感がないんじゃないのか。


たとえば、条例改正案の対象が議会も通さずにむやみに拡大することは非常に考えにくいし、日本の民主主義も基本的には安定してる。まして戦前の治安維持法を例示するのは極端で、あまりにも現実から遠い。

(略)

つまり距離があるものを距離がないように、あるいはわずかな可能性をことさらに大きく考えて興奮するのは、ファンタジーでリアルを見ているってわけでしょう?

このあたり、ホメオパシー叩きやネトウヨ・はてサの政治運動でも同じだろうと思う。「○○の危険性!」とか言って煽り倒すの、つまりファンタジーが優先していて、リアルがない。


つまりリアルの認識能力というか感覚が違うんじゃないかと、前々から疑問だった。

先のエントリにも書いたように、「フィクション」「ファンタジー」と「リアル」を切り離してる人切り離せる人は、妙なオタク趣味でも自虐的に語れたりするらしくて、こちらはよろしい。ようは、自覚できてるらしい。自覚できるんだから救われてるわけで、なら全然構わないと思う。


ところが、これが切り離せない人の場合、頭の中の世界観がどういうことになっているか。「なんでもガンダムにたとえる」ほどアイデンティティと密着してたら相当はまってるんじゃないのかい。って、若田部先生っておいくつ?四十六?


・・・そう考えると、笑い話でなく、こういうことは意外に「重要情報」ですよ。


あ、もちろん、ただガンダムの話をやってるだけなら笑い話なんですよ。でも、人間、そうそう簡単に割り切れるものでも、あれとこれとは別の話ということにもできません。そういう生き物だと思います。(だいたい、そこまでのめり込めるお人だから学者になれたんだろうし)

ちなみに、僕のマンガやアニメの知識なんて、ゼロですよ、ゼロ。アニメマンガ好きの若い外国人たちのほうがずっとよく知っています。


だから、本当は、これこれこういうマンガなりアニメの世界観はこうだから、これにドはまりしてるとこうなるんじゃないの、みたいなホラを吹きたいんだけど、残念ながらできないのよね。


一応、念を押しておくと、オタクは必ずネット○○派になるとも言わないし、オタクでない人間はネット○○派にならないとも言いませんよ。個人の性格とか思考癖のほうがより問題で、マンガとかアニメはそういう癖をかなり強化するのかもしれないけれど、世界観を教化したのかどうかまではなんとも言えない。ただ、なんでネット○○派周辺にはオタク趣味の人がこうもいるのかというのが疑問でそれに対する回答といえば、一つはこのあたりではないのかなという、僕の毎度のいい加減な考えでしかない。


何が好きでもどういう趣味でも個人の自由だからなんでもいいんだけども、なんと言うべきか、言葉が見つからないんだな。「これだからオタクは」とか、おおっぴらに言えないでしょ。特にネットだと。


たしかガンダムの監督って、大人になったらマンガ・アニメから卒業しろと言っている偉い人じゃなかったでしたっけ。まあ、恥ずかしいので、いい年したらオタク趣味はひそかに楽しんでおくことにしましょうよ。。。
追記
ああ、Wikipediaにありましたね。。。
富野由悠季 - Wikipedia

富野は、将来のアニメ業界に就きたいと思っている若者たちに対して、「アニメを見るな」「文芸、演劇、物語を見ないで映画、アニメが作れると思うな」「アニメ以外のことに奮闘しろ」「修身・道徳、格言を学べ」「大人から学ぶものなんて何もない」「映画産業全般に就きたいのなら学生時代から広くものを見なさい」「45歳までは君たちも挽回できる。人間の基本は9歳までの、当時は解決方法が見えなかった欲求で、それからは逃れられない。それが何だったか思いだせ」とアドバイスをしている。また、近年のアニメについて「アニメや漫画を好きなだけで入ってきた人間が作るものは、どうしてもステレオタイプになる」「必ずしも、現在皆さん方が目にしているようなアニメや漫画の作品が豊かだと僕は思いません」と述べている。
また、「アニメや漫画は、子供が親に隠れてこっそり見るものであり、大人(成人)になればアニメはさっさと忘れなさい」と主張している。富野作品中でもそのようなテーマを打ち出しているものも多い。そのため、40歳を過ぎようとしている「大人」が、自身の代表作『機動戦士ガンダム』に熱中していることを嘆き、ドストエフスキーゲーテなどの世界文学や『徒然草』や『奥の細道』など古典を大人は読むべきと唱える齋藤孝に共感し、対談を申し込んだ事もある。この対談では『機動戦士ガンダム』は娯楽に過ぎず、人生の指針や教訓になるような大そうなものではないし、そのようなものはないと結論している

「大人になればアニメはさっさと忘れなさい」「40歳を過ぎようとしている「大人」が、自身の代表作『機動戦士ガンダム』に熱中していることを嘆き」。。。笑うしかないんだが、まあ立派というか見識というか人物というか、そういうお人なんでしょうかね。偉いなあ。。。